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国土交通省関東地方整備局(建設),栃木県県土整備部

県事業連絡協議会、道路ネットワークを強靭化、栃木IC付近の渋滞対策を

2021/07/02 日本工業経済新聞(栃木版)

 国土交通省関東地方整備局と県県土整備部は30日、WEBによる2021年度県事業連絡協議会を開催した。国は鬼怒川、小貝川、渡良瀬川、那珂川水系で各流域治水プロジェクトを策定。実効性を高める流域治水関連法が5月10日に施行した。国土強靭化5カ年加速化対策を通じ、災害に強い幹線道路のネットワーク機能強化対策を重点的に実施。県は東北自動車道宇都宮IC以北の6車線化、東北道と北関東自動車道が重複する栃木IC付近の渋滞対策、国道や河川、山岳地帯の直轄事業の整備促進、思川開発事業南摩ダム本体工事(鹿沼市)の早期完成を要望した。

 関東地整の見坂茂範企画部長は「台風シーズンを控え、防災減災対策強化が必須。国土強靭化加速化対策予算を有効に活用し、強い国土づくりを成し遂げたい。生産性の向上に向け、インフラ分野のデジタルトランスフォーメーションに力を入れる」とあいさつ。

 21世紀末には全国平均で降雨量1・1倍、洪水発生頻度が2倍になると試算。流域治水関連法は①計画活用河川の拡大②協議会創設と計画の充実③河川や下水道対策の強化④雨水貯留対策の強化⑤まちづくりとの連携⑥被害軽減、早期の復旧復興-を盛り込んだ。

 ハード整備の加速化や充実、治水計画の見直し、上下流、本支川の流域全体を見渡し国、地方自治体、企業、住民ら関係者の協働による防災減災対策に取り組む。渡良瀬川に架かる中橋(足利市)の架け替えには2億4000万円が措置され、県事業で架け替える。

 国土強靭化ネットワークの直轄事業は国道4号の西那須野道路、矢板大田原バイパス、矢板拡幅、県事業は常総宇都宮東部連絡道路の一部を構成する宇都宮高根沢バイパス、真岡宇都宮バイパス、真岡南バイパス、茨城西部宇都宮広域連絡道路の一部となる宇都宮環状北道路が該当。

 国は鬼怒川直轄砂防に32億2000万円、那珂川河川改修(那珂川緊急治水対策プロジェクト)に6億円、西那須野道路に10億500万円、矢板拡幅に5億2000万円、矢板大田原バイパスに3億3000万円、日光川治防災に3億1500万円を配分した。

 西那須野道路(那須塩原市三区町~西富山、4・6㎞)は3月末の用地取得率95%、事業進捗率76%。バイパス化と現道を拡幅。21年度は調査設計、用地買収、改良工事、電線共同溝工事、歩道橋工事を計画。22年度は烏ヶ森公園歩道橋の着手を予定。

 矢板拡幅(矢板市片岡~針生、6・5㎞)は3月末の用地取得率6%、事業進捗率5%。21年度は調査設計、用地買収。起点部の東北道矢板ICから中北交差点にかけて混雑し、現道を拡幅する。23年度は江川橋付近の前岡地区改良工事の着手を予定する。

 矢板大田原バイパス(矢板市針生~那須塩原市三区町、7・9㎞)は3月末の用地取得率0%、事業進捗率1%。21年度は調査設計。起点部から野崎工業団地付近の上石上交差点までの5・3㎞をバイパス化、先線から終点の2・6㎞が現道拡幅。

 水資源機構の南摩ダム21年度事業費は133億3800万円。21年度は本体工事、導水施設工事、付け替え道路工事。堤高86・5m、総貯水容量5100万立方m(有効貯水容量5000万立方m)。本体建設工事は大成建設が受注。24年度の完成を目指す。

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