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(社)長野県建設業協会

「地域守る人になって」/長野工高で初の建築施工図講習

2021/07/10 長野建設新聞

 県建設業協会(木下修会長)が県長野工業高等学校で建築工事の施工図講習を実施している。学校からの依頼を受け、担い手育成の一環として企画した初の試み。7日に開かれた1回目の授業では、生徒たちに施工図の作成方法を丁寧に指導するとともに、「地域に根差した地元企業に就職し、活躍してほしい」と熱い思いを伝えた。

 講習の対象者は建築科の3年生40人。講師を務めているのは須坂支部の山﨑喜彰支部長、中村正副支部長、両氏が代表の会社に所属し長野工高の卒業生でもある須坂土建工業の金澤彰取締役建築部長とマツナガ建設の山岸一信取締役建築部長の計4人。

 7日の講習では冒頭、協会を代表し大月昭二特任理事があいさつ。「上野敏校長からの依頼を受け、われわれも皆さんが地域に根付き、地域を守る人間になってほしいとの思いで実現させた。皆さんが授業で学ぶCADと、実際にプロが現場で行う内容にどんな違いがあるか。短い時間だが、その点をしっかり勉強してほしい」と呼び掛けた。

 また山﨑支部長は「今月3日に熱海市で大規模な土石流災害が発生した。メディアでは警察や消防、自衛隊が行方不明者の救助・捜索に当たる様子を報じているが、実は地域の建設業が真っ先に現場に入り、昼夜を問わず復旧工事を行っている。一昨年の台風19号の時もそうだった。皆さんはこの先、就職・進学するが、ぜひ自分の生まれ育った地域に戻り、地域の人の命を守る仕事に就いてほしい」と思いを語り、中村副支部長は「わたしも元は建築の技術者。きょうは自分のCADのレベルを上げるため、多いに学んでほしい」と話した。

 講習では、マツナガ建設が施工した公衆トイレの図面を教材にし、JW-CADを用いて施工図の作成方法を指導した。生徒たちは講師の手ほどきを受けながら真剣な表情でマウスを操作。休憩時間も講師とやりとりするなど熱心に学んでいた。講習はコロナ対策のため2班に分け、各班2日間、合計4時限の工程で実施する。最終日は7月16日。

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