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栃木県烏山土木事務所

烏山土木 荒川の改良復旧、今年度護岸工延べ5.9㎞計画、落合橋上部工、年内発注目指す、8~9月に…

2021/07/13 日本工業経済新聞(栃木版)

 県烏山土木事務所は、1級河川荒川の災害復旧助成事業(改良復旧、那須烏山市向田~藤田)の2021年度事業概要を示した。左右岸で延べ約5900mの護岸工事を計画し、排水樋管や取水樋管の設置工事、市道落合橋の上部工発注を予定。今後、護岸工事6件を8~9月頃に本庁入札執行の条件付き一般競争で発注するほか、落合工区の取水樋管設置工事を9月頃に入札。落合橋上部工は年内発注を目指す。21年度事業費は2月補正と合わせて16億1100万円。築堤・護岸工事は用地取得の状況を見ながら発注工事を追加していく考え。

 事業区間は下流の向田工区(1500m)と上流の小倉・藤田工区(4400m)を合わせた5900m。築堤や護岸を実施する。事業期間は2019~22年度を予定。総事業費は約60億円。

 築堤護岸の施工箇所と延長は向田工区が落合堰付近から下流右岸1136m(支川部含む)、落合橋付近から下流左岸795m。

 小倉・藤田工区は藤田橋の下流右岸223m、下流左岸1965m、大和久堰付近から下流右岸1593m、新荒川橋付近の上流左岸1473m、新荒川橋から上流右岸415m。

 現在の堤防の位置に新たな堤防護岸を計画。被災をもたらした洪水を対象に堤防を嵩上げし、堤防の高さは河床から余裕高を含めて約7m。河床側の法面は大型連結ブロック(厚さ15㌢)を施工する。

 向田工区の天端幅は4m。破堤した小倉・藤田工区は堤防強化緊急対策プロジェクトによる川裏への腹付け盛土も行って天端幅7mとする。堤防の法尻には堤防上の降雨を排水する堤脚水路を設置し、雨水を排水樋門から荒川に排水する。

 向田工区は排水樋管1カ所、取水樋管1カ所、小倉・藤田工区は排水樋管5カ所を設置する計画。

 発注する護岸工事はその12~17。小倉・藤田工区の工事が4件でいずれも8~900mを施工。向田工区は450m、490mを施工する。

 取水樋管は落合堰の機能を確保するために設置。幅1m×高さ1mのボックス工で延長約35m。取水ゲートは巻き上げ式を予定。工事規模は5000万円~1億円未満で指名競争入札。

 落合橋は向田地区と落合地区を結ぶ生活道路で、主要地方道宇都宮向田線荒川橋の上流に位置。現橋梁は橋長約100mの4径間で幅員は約4m。河川断面計画に合わせた高さと橋長を確保するため架け替える。

 新橋梁は橋長100・7m、全幅6・2m(有効幅員5m)の3径間連続非合成鋼鈑桁橋。現橋梁の上流側に架設する。

 下部工は逆T式橋台2基、小判型壁式橋脚2基。いずれも直接基礎。下部工は平野建設(那須烏山市)が受注しており、渇水期の工事に備え準備を進めている。橋梁詳細設計は富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市)が担当した。

 排水樋管設置工事は上流区間の5件の入札を6月25日に執行。関谷建設、荒川建設、荒井工業、岡工務店、中山建設(いずれも那須烏山市)が受注した。

 樋管の詳細設計はピーシーレールウェイコンサルタント、新日本建設コンサルタンツ、ダイミック、富貴沢建設コンサルタンツ(いずれも宇都宮市)が担当した。

 荒川では東日本台風の際、向田地区で78・8ha、小倉、藤田地区で68・8haが浸水。床上浸水208戸、床下浸水79戸、農地127・5haの被害が発生した。

 烏山土木では荒川について災害復旧助成区間のほか、下流の交付金事業区間の向田工区で掘削や護岸を施工する工事2件を予定。また、堤防強化緊急対策プロジェクトで三箇地区の護岸工、高瀬地区の腹付け盛土・護岸整備を9月までに発注するなど総合的に治水安全度を高めていく。

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