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栃木県下野市

下野市、天平の丘公園再整備に着手、東の飛鳥都市再生整備計画、5カ年で2・5億

2021/07/20 日本工業経済新聞(栃木版)

 下野市は、天平の丘公園周辺整備事業を都市再生整備計画「東の飛鳥国分寺地区」に位置付けた。社会資本整備総合交付金を導入し、2021~25年度の5カ年間で市道2-22号線の改良、老朽化施設の改修、バリアフリー化、観光案内表示板の更新を進める。総事業費約2億5000万円を見込んでいる。

 東の飛鳥国分寺地区は総面積360ha。このうち国指定史跡の下野国分寺跡と下野国分尼寺跡を内包する天平の丘公園27・4haを再生。市歴史的風致維持向上計画の重点区域であり、東の飛鳥を象徴。一帯は市民が誇るべき貴重な地域アイデンティティー。

 天平の丘公園は、市南西部の1級河川思川と姿川に挟まれた台地に立地。東側に国分尼寺跡、中央にしもつけ風土記の丘資料館、西側に国分寺跡、南側の平地林が一体的な空間を形成する。1988年から5カ年かけて整備し、開園から30年が経過する。

 花広場が会場となる春の「天平の花まつり」や秋の「天平の芋煮会」には年間20万人以上が来場。イベント時以外は周辺住民の利用にとどまり、閑散としている。経年劣化した施設の再整備とともに、2つの史跡の歴史的資産を生かす環境を創出する。

 一般車は市道2-22号線から夜明け前、西、東の各駐車場へ向かう。片側歩道は段差があり、21~22年度で歩道部拡幅とバリアフリー化を先行。延長は140m、全幅8・5m(車道2車線5・5m、路肩0・5×2、片側歩道2m)に改良する。

 駐車場は車両1台当たりの駐車スペースが狭く、再整備を求める意見が目立つ。ワンボックスカーが余裕を持って駐車できる幅2・5mへ拡張。駐車マスのラインが消えかかっており、ラインを引き直す。身障者対応のおもいやり駐車スペースを増やす。

 夜明け前駐車場は2000平方mを平面舗装し、駐車マスを再整備。西駐車場は2万5000平方mを平面舗装し、駐車マス再整備、国分寺跡への連絡路を新設。東駐車場(サブ駐車場)は7300平方mを砂利敷きし、用地拡張やおもいやりスペースを整備。

 幅2~3・5mの散策園路は路肩修繕、バリアフリー化、順路サインを設置する。花広場トイレと南駐車場付近の秋山亭西側トイレは建物、設備機器の双方が老朽化。清潔感や安心感の向上へ再整備する。こども広場南側に噴水を新設し、水遊びの場を提供する。

 平地林はうっそうと茂った樹木を伐採し、暗がりをなくす。桜は樹勢回復や貴重樹の子孫樹育成による老木化対策、十月桜の拡大、ヤマザクラの適正管理で見栄えを向上。木製の公園案内表示板は劣化が見られ、夜明け前、東、南駐車場の3カ所を更新する。

 一部の借用民地は2万8164平方mを公有化し、効率的に管理する。事業費内訳は市道2-22号線が1850万円、公園再整備が2億1450万円(用地費9500万円、整備費1億1950万円、表示板800万円(設計費200万円、整備費600万円)。

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