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長野県,(社)長野県建設業協会

趣向を凝らし魅力発信/埴生中学校で体験学習

2021/07/30 長野建設新聞

 県建設業協会(木下修会長)は21日、千曲市立埴生中学校で職場体験学習を開催した。次世代の担い手確保を目的とした県と協働の取り組みで、若手技術者による体験談やタブレットを使った360度カメラ体験など趣向を凝らして建設業の魅力を伝えた。

 学習に参加したのは2年生110人。冒頭のあいさつで清澤由幸副会長は「ものを造るだけではない建設業の役割を知ってほしい。そして長野県を造り、守る人になってくれればうれしい」と期待を込め、依田幸光副会長は「建設業は今、給与が高く、休暇がとれ、希望を持てる『新3K』の実現に取り組んでいる。また多くの女性も携わっている」と紹介した。

 学習では、建設業が社会基盤整備だけでなく、災害対応・除雪作業といった社会的使命を果たしていることや、建設業にはさまざま職種があり、現場を管理する技術者と実際に作業を担う技能者がいることなどを丁寧に説明。台風19号災害での会員の活動を記録したドキュメント番組の視聴も行った。

 また、無人化機械施工の一端として重機に搭載した360度カメラを紹介。生徒たちはタブレットを上下左右する動きに伝送された映像が連動する技術を体験した。

 技術者による体験談では、女性部会長を務める相模組(大町市)の倉科里絵氏が入職の経緯や仕事の内容を説明。「県内に『建設女子』は多くいる。建設業には大勢の人が携わっており、性別の差はない。一つのものを造るという目的に向かい一致団結するので、仲間ができることもこの仕事の魅力」と話した。

 また高木建設(長野市)の堀川光氏は「地域の人に感謝されることが何よりうれしい」と建設業が人に喜ばれる仕事であることを伝え、冨士建設(千曲市)の宮尾夏基氏は「子どものころから重機を操る職人さんの姿がかっこいいと思っていた。この先、資格を取り、自分で最初から最後まで仕事に携われるようになりたい」と語り、夢を叶え、さらにその先の夢に向かい歩んでいる姿を見せた。

 協会と県では多くの子どもたちが建設業に「興味」と「憧れ」を抱いてくれるよう、職場体験学習を県下全域に広げていく考えだ。

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