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「見えない工夫に驚き」高校生が就労体験

2021/08/04 新潟建設新聞

 新潟県空調衛生工事業協会(星野幸作会長)が恒例のインターンシップを開催した。社会貢献事業の一環として、県立新潟工業高校の建築科設備コースの生徒を2005年から受け入れている。ことしは7月26~30日にかけて、会員企業12社で同校2年生22人が就労体験をした。また、新型感染症の影響で昨年参加できなかった3年生の希望者も参加した。

 このうち新潟日立(足立裕社長、本社・新潟市)では28~29日に2人が参加。初日は空調負荷計算や機種選定の実習、2日目は新潟盲学校・聾学校統合校の体育館棟他衛生その他設備工事の現場を見学。8月末に竣工を控えた施設の寄宿舎棟、体育館、屋上などを巡った。統合校は園児から高校生まで幅広い学年が利用するため、浴室洗い場は鏡の位置などを10~20㎝ほど低く取り付けたほか、手洗いには自家発電の自動水栓も備え、災害時に排水機能が停止しても緊急用の汚水槽につなげる仕組みがある。

 説明は主に同校卒業生の社員が担当。入社2年目の野口凌さんは「分かると面白くなってくるのでそこを伝えたい」とし、負荷計算を指導した。入社4年目の丸山貴之さんは現場の解説を担当し「監理の仕事は調整役。特にコミュニケーションが大事だと痛感している。社会人になったら趣味を持って、いろいろな話題の引き出しがあるといい」と話した。

 参加した新潟工業高校の渡辺俊輔さんは「同じように並んでいる室外機の出力が実はそれぞれ違うことや、利用者を考えた設置位置などの工夫に驚いた」とし、栗林十和さんは「現場は初めて。学校で教わることと実務では違う部分がたくさんあって興味が湧いた。将来は設備関係の仕事に就きたい」と語った。

【写真=現場代理人の説明を聞く高校生】

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