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老練技術者の活躍支援を/1級土木は3割が60歳以上/技士会の年代構成から考える

2021/08/06 長野建設新聞

 県土木施工管理技士会の会員3383人のうち60歳以上は967人で、全体の28.6%を占めることが分かった。1級に限ると819人で構成比は30.4%。一方、39歳以下は200人で7.4%にとどまる。若手技術者の確保・育成はもちろん、技術者不足を打開する一手として、ベテランが引き続き活躍できる環境づくりを検討すべきではないだろうか。

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 6月末現在における技士会会員の年代構成が判明した。1級土木施工管理技士は2690人で、平均年齢は53.4歳。年代別では50代が879人(32.7%)と最も多く、以下、40代792人(29.4%)、60代703人(26.1%)、30代173人(6.4%)、70代104人(3.9%)と続く。30代以下は200人で全体の7.4%にとどまるのに対し、60代以上は819人で30.4%を占めている。

 2級土木施工管理技士は693人で、平均年齢は47歳。年代別に見ると40代が最多で181人(26.1%)。以下、50代145人(20.9%)、20代111人(16%)、30代108人(15.6%)、60代104人(15%)の順。30代以下は219人で構成比31.6%。60代以上は148人で同21.4%。

 県は若手技術者の確保・育成に向けて、総合評価落札方式の評価項目設置や優良技術者表彰における若手部門創設など、将来を見据え、地域に根差した建設企業を育てる効果的な施策を講じている。

 一方、技士会の年代構成を見ると、とりわけ1級は60代以上のベテラン技術者がリタイヤした場合、円滑な施工の確保が危ういのではとの危機感を覚える。災害復旧や国土強靱化により工事量が増加している中ではなおさらである。

 技士会の下田文雄副会長は、地元の県建設業協会支部と県現地機関の意見交換会で「例えば総合評価において若手同様に60歳以上の技術者を配置した場合に加点するといったことも考えられるのではないか」と提起。一方で「現状の年代構成を踏まえると若手技術者への加点は効果的すぎる面もある。入札時ではなく、施工後に成績評定点で評価する形が良いのでは」と述べた。

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