県芳賀農業振興事務所は、茂木町で県営中山間地域総合整備「茂木地区」の事業計画策定に向けた調査に着手した。現時点では町内の１７地区から水路や揚水ポンプ、堰などの水利施設を中心に農業生産基盤の整備要望が寄せられており、現況を把握する基礎調査を進める。今月には地元代表者らで組織する土地改良事業推進協議会を立ち上げ、事業実現に向けた合意形成を図っていく。今年度の調査費は６００万円。２０２４年度の事業着手を見据えている。

　中山間地域総合整備事業は農地や水利施設などの農業生産基盤と集落道、防火水槽、地域活性化施設などの農村生活環境基盤を整備する。

　町では０２～０９年度に茂木北部地区、１１～１９年度に茂木南部地区が県営事業で行われており、今回調査する茂木地区を事業化することで継続的な整備を実現。町内全域での農業生産基盤と生活環境基盤の整備完了を目指す。

　現時点での要望地区と要望工種は「下菅又」（圃場、水路整備）、「上菅又」「北高岡甲」「飯野東」「下鮎田」「小貫下」「小貫吹田」「上鮎田」「小貫中」（いずれも水路整備）。

　「飯下」（揚水ポンプ）、「上神井」（農道整備、堰改修）、「下神井」（堰改修）、「飯上」（水路整備、堰改修）、「北高岡乙、北高岡甲」（農道、水路整備、揚水ポンプ）、「林」（農道、水路整備、堰改修）、「小貫上」（水路整備、堰改修）、「小山」（揚水ポンプ）。

　来年度にかけて合意形成を図りながら圃場整備や道路、水路、揚水施設などの基盤整備計画を策定し、総事業費や費用対効果を算定。２３年度には計画を樹立して事業採択を国に申請。２４年度からの事業着手を想定している。

　茂木北部地区の中山間地域総合整備事業では総事業費１６億円を投じ、圃場２０・６ｈａ（２地区）、暗渠排水０・９ｈａ（１地区）、用排水路工２・５㎞（４地区）、農道工６・５㎞（８地区）、集落道３・９㎞（４地区）、活性化施設１カ所、集落防災安全施設２０基（防犯灯）の整備が行われた。