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栃木県日光土木事務所

日光土木、砂防事業 下小網中沢は詳細設計、新谷沢、井戸の沢着工目指す

2021/08/20 日本工業経済新聞(栃木版)

 県日光土木事務所は、今年度の砂防事業概要を示した。通常砂防の新谷沢(東小来川)、井戸の沢(足尾町原)で砂防堰堤の着工を目指し、用地補償を推進。下小網中沢(藤原)は国庫交付金を導入し、詳細設計に着手した。自由ヶ丘沢(大原)は工事用道路の工事を計画。九桜沢外(セッチン薙、中宮祠外)は渓流保全工事を9月までに発注し、急傾斜地崩壊対策の広久保ⅡA(所野)は待受け擁壁工事を促進していく。

 新谷沢は東小来川公民館の東に位置する黒川支流の沢。被害想定区域には東小来川公民館のほか、緊急輸送道路の主要地方道鹿沼日光線(355m)、消防団詰所、人家9戸が存在。砂防堰堤1基を整備する。計画当初に試算した全体事業費は1億4000万円。

 整備する堰堤は堤長52m、堤高8m。スリットを設置する透過型(幅6m)。詳細設計は富士コンサルタンツ(宇都宮市)、測量は宇都宮測量(同)、地質調査は日本測地(真岡市)が担当した。

 井戸の沢は渡良瀬川右岸の渓流。砂防堰堤1基を整備する。保全対象は足尾原体育館や人家3戸、国道122号(118m)や日光森林管理署餅ヶ瀬森林事務所、県営足尾発電所。計画当初の全体事業費は2億5000万円。

 堰堤は堤長35・5m、堤高12・5mの透過型(幅6m)。堰堤工事にあたっては沢を渡る工事用道路を設置する。詳細設計は大日本コンサルタント(東京都千代田区)、測量は東亜サーベイ(宇都宮市)、地質調査は第一測工(同)が手掛けた。

 下小網中沢は鬼怒川支流の沢。保全対象は川治温泉駅や人家8戸、国道121号(145m)、小網ダム管理所。砂防堰堤1基を整備する計画で全体事業費は1億5000万円を見込んでいる。

 堰堤は堤長36m、堤高10・5mの規模で透過型を想定。6月に測量を日昌測量設計(宇都宮市)、詳細設計を大日本コンサルタントに、7月に地質調査をパスキン工業(宇都宮市)に委託。堰堤の規模などを固めていく。

 自由ヶ丘沢は東武鬼怒川線小佐越駅の北東約1㎞に位置する渓流。被害想定区域には人家57戸や市道(470m)があり、また、付近に東武ワールドスクエアが立地。砂防堰堤1基を整備する。

 堰堤は堤長49・5m、堤高12・5mの透過型(幅5m)で、渓流保全工97・3m、工事用道路110mを設置する計画。渓流保全工は中抜けの区間の整備となり下幅1・5m~上幅2・5m。

 測量は晃栄測量設計(日光市)、詳細設計は大日本コンサルタント、地質調査は第一測工が担当。当初の全体事業費は2億円。今年度は用地補償や工事用道路を進め、堰堤工事の着工に備える。

 砂防堰堤の補強を進めているセッチン薙の渓流保全工は指名競争で発注し、工期は約6カ月。広久保ⅡAは7月に発注した工事などを進め来年度の事業完了を目指す。

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