県塩谷南那須農業振興事務所は、県営農業農村整備の今年度事業概要をまとめた。事業費は７億８２９６万円で９地区（繰り越し含む）を推進。船生（塩谷町）は水路工２件と隧道補修工１件、道路工１件を１０月をめどに発注。境堰（那須烏山市）の改修は一般競争を月内にも公告。馬頭中部（那珂川町）は舗装工事の発注を１０～１１月頃に予定。馬頭中部、高原（矢板市、塩谷町）では秋以降に水路付帯工事の発注を検討している。調査は市の堀用水（さくら市ほか）、堀抜用水堰（那須烏山市）、寺小路（塩谷町）、下寺島（同）の４地区。

　水利施設整備の船生の今年度事業費は３億５５００万円。水路工の箇所は道谷原地区の延長約１６００ｍ。８００ｍずつ２分割し、劣化状況に応じてＬ型水路への更新（幅２・７ｍ×高さ１・４ｍ）や目地補修、モルタル補修を実施する。

　隧道補修工は船生頭首工近くの延長７０ｍで実施。隧道は馬蹄形で幅２ｍ、高さ１・８ｍ。樹脂系ライニングにより表面を補修する。

　道路工は延長約２００ｍ。船生頭首工ゲート付近への工事用道路と管理用道路を併せて施工する。工事用道路は下流の高徳中岩河川公園側から河川敷に築造。管理用道路は新高徳駅付近の市道に接続させる計画。

　来年度の水路工の箇所は、８月に土質調査を委託した道谷原地区下流の隧道区間から今後選定し、実施設計を１２～１月頃に委託する予定。

　中山間地域総合整備の馬頭中部は１億４７００万円。舗装工事は北向田の宮本地区の集落道で延長は４７０ｍ。道の駅ばとう南側で国道２９３号と連絡する。全幅は５ｍ（アスファルト舗装４・５ｍ）。

　水路付帯工は整備が完了した和見地区の圃場で湧水処理を想定しており、１１月頃の発注を検討。和見の圃場では確定測量を県土地改良事業団体連合会に委託して進める。

　高原は３０００万円。小山帰地区の圃場で湧水処理などの水路付帯工を検討している。

　境堰は那珂川の烏山大橋付近の堰。今年度は８２９０万円。コンクリートの木工沈床が流出・沈下しており、改良沈床工、根固めブロック工などで取水機能を回復させる。昨年度は右岸側の工事に着手。今年度は左岸側を発注し、事業を完了させる。総事業費は１億３２００万円。

　箒川の西の原頭首工は管理棟（大田原市福原）の新築工事を７月に発注。ゲート操作盤など水管理システムの更新工事は今月発注した。総事業費は２億３２５万円。

　調査地区は農地整備に向け寺小路で約２５ｈａ、下寺島で約１５ｈａを対象に計画設計を推進。寺小路は２０２３年度、下寺島は２４年度の事業着手を想定している。

　市の堀用水は延長約６８００ｍの水路改築で計画を詰めていく。堀抜用水堰は那珂川の興野大橋下流にある取水ゲート更新を計画。来年度の事業着手を目指している。