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栃木県足利市

足利市、幹線街路3路線を変更、右折車線設置、隅切り改良

2021/09/15 日本工業経済新聞(栃木版)

 足利市は、利根川水系1級河川渡良瀬川の中橋架け替えに伴う足利佐野都市計画道路変更案の縦覧を開始した。幹線街路3路線のうち2路線は3mの右折レーンを設けるとともに、隅切り形状を改良。1路線は隅切り形状の改良のみ。縦覧は21日まで。市都市計画審議会を経て10月の都市計画決定を目指す。

 幹線街路3路線は、県の都市計画道路3・5・102号家富町堀込線(主要地方道足利千代田線)中橋工区を横断する市道。県は通2丁目を起点とし、南町を終点とする延長640m区間に街路づくり事業を導入。国は堤防を嵩上げする。

 幹線街路は3・4・106号川崎渡良瀬橋線(市道渡良瀬橋川崎通り)、3・5・115号東武駅前線(下流側が市道南町3号線、上流側が市道田中町48号線)、3・6・103号伊勢町渡良瀬橋線(市道通3丁目鵤木通り)。中橋の架け替えに関係する交差点を改良する。

 川崎渡良瀬橋線は川崎町を起点とし、通3丁目を終点とする延長7220m、代表幅員16m。東武駅前線は田中町を起終点とする延長530m、代表幅員12m。伊勢町渡良瀬橋線は伊勢南町を起点とし、通3丁目を終点とする延長1000m、代表幅員11m。

 現状と将来の交通見通しを勘案し、交差点の交通円滑化を図るには必要な右折車線の確保とともに交差点部の隅切り形状の改良が必要と判断。川崎渡良瀬橋線と東武駅前線は右折車線設置と隅切り形状を変更。伊勢町渡良瀬橋線は隅切り形状のみを変更する。

 川崎渡良瀬橋線の右折レーンは車線長50m(滞留長30m、減速車線長20m)。東武駅前線の右折レーンは上流側の車線長45m(滞留長30m、減速車線長15m)。下流側の車線長55m(滞留長40m、減速車線長15m)。伊勢町渡良瀬橋線は隅切り部を拡幅。

 県の家富町堀込線は市役所が位置する家富町を起点に足利学校や鑁阿寺の西側を通り、堀込町の終点部で国道50号に接続する延長3350mの路線。渡良瀬川で分断された南北市街地を結ぶシンボル軸であり、1958年に都市計画決定されている。

 中橋は前後の堤防に比べ左岸側で3m、右岸側で2m低い。付近の流下能力は毎秒1500立方m。河川整備計画河道目標流量の毎秒3300立方mの半分に満たない。2019年東日本台風では桁下まで残り1・2mまで水位が上昇し、市は中橋を通行止めにした。

 新設する中橋は橋長285m、幅員13・5m(車道3m×2、自転車道2m、歩道3・5m)の鋼5径間連続細幅箱桁。既存の中橋は橋長295・1m、幅員11m(車道7m、両側に2m歩道)。既存の3連アーチ橋は下流部にスライドさせ、側道橋に活用する。

 県は中橋の架け替えに併せ、歩道、自転車道、右折車線、JR両毛線の立体化や踏切除去を実施。21年度に事業に着手し、27年度の完成が目標。総事業費107億円(県道70億円、国河川37億円)を見込んでいる。財源は国費55%、県費45%。

 市は中橋の架け替え後、新たなまちづくりに乗り出す。高架下のオープンスペースや3連アーチ橋の一部をオープンテラスに利用。美しい夕日の眺望をアピールし周辺の足利学校や鑁阿寺、織姫神社との回遊性を高め、地元商店街の活性化につなげる。

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