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大雨災害対応に163億円/新規で犀川砂防事務所耐震/9月補正案

2021/09/17 長野建設新聞

 県は15日、9月補正予算案の概要を発表した。8、9月の大雨災害への対応として災害復旧事業費と公共事業費で債務負担行為を含め163億9500万円を措置。これ以外の安全・安心な県土づくりに向けた公共事業には債務負担行為を含め38億1600万円を確保した。新規事業では犀川砂防事務所(安曇野市)の耐震改修工事に向けた実施設計に着手する。

 大雨災害予算の内訳は、災害復旧事業費が補助分95億8500万円、県単独分6億900万円。債務負担行為は14億4900万円。復旧箇所数は664カ所。補助公共事業費は11億2600万円で、土石流対策6カ所(岡谷市、茅野市ほか)、急傾斜地崩壊対策3カ所(大桑村ほか)に充当する。県単独公共事業費は建設部分31億8500万円、林務部分2億3500万円、農政部分2400万円。債務負担行為は1億8000万円。299カ所の復旧工事などを行う。公共土木施設の災害査定は10月中旬~12月上旬にかけて行われる見通し。

 大雨災害以外の公共事業費のうち、補助公共事業費は8億5000万円。長野市小松原における地すべり対策を緊急的に実施する。また、落石が多発する県道の防災対策等に12億5000万円の債務負担行為を設定する。県単独公共事業費は建設部分13億7400万円、林務部分7500万円、農政部分3300万円。債務負担行為は2億3300万円。融雪や梅雨前線豪雨の被災箇所の復旧工事等で79カ所、通学路の安全対策工事等で111カ所を予定している。

 新規の犀川砂防事務所耐震改修には債務負担行為で1690万円。実施設計に着手する。庁舎はW造2階建て、延べ660㎡。1963年の竣工から50年以上経過しているが、現時点では既存建物を生かし、鉄骨を入れ補強。工事中は仮設庁舎を設ける。実施設計は予算案可決後、速やかに発注。来年度にかけて策定する。工事は2022年度中下旬に着工し、23年度中の完了を見込む。

 同じく新規事業で、県立高校空調設備整備調査事業費として2570万円。特別教室などへの空調設備整備に向けて、各校の電源余力などを調査する。現時点では県内全ての県立高校を対象とし、調査は地区ごとなど、ある程度まとめた形で発注する。入札参加者は、空調設備の設計を行える建築コンサルタントを想定している。

 このほか交通に関する詳細データの収集分析(路線ごとのバスの乗降調査、人流実態調査など)に1535万円、道路交通法改正に対応した運転者管理システム等の関係機器改修に2089万円を計上した。

 一般会計の補正額は335億1500万円で、このうち新型コロナウイルス感染症対応分が162億7500万円。補正後の総額は1兆1226億9900万円で、前年同期比0.1%増となる。補正予算案を審議する9月定例県議会の会期は9月22日~10月8日まで。

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