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群馬県渋川市

渋川市長インタビュー

2021/09/29 群馬建設新聞


8月29日に行われた渋川市長選挙で当選し、2期目を迎えた髙木勉市長。髙木市長は、市の活性化に向けて「八木原駅周辺整備や古巻公民館の改築といった南部地域開発や、JR渋川駅周辺整備事業などの大きなプロジェクトを前進させる」と意気込む。一方で、地域住民の生活に根ざした身近な生活道路の整備にも着手し、市民の暮らしに寄り添いながら事業を着実に進めるとした。共生社会を渋川市で実現していくことを大きなテーマとする中、今後の事業展開について聞いた。

-2期目を迎え抱負は

髙木 公約に掲げた「明日の渋川を拓く10のプラン」を中心に進める。

 10のプランで1番目に位置付けたのが「コロナ禍に立ち向かい市民の命と暮らしを守り抜く」。当面はこの方針に全力を投入する。そして、誰一人取り残さない共生社会を実現するのが大きなテーマとしてある。パラリンピックなどのレガシーを引き継ぎ、人権を尊重し、互いに支え合い、誰もが自分らしく輝くことのできる共生社会を渋川市で実現していくことを大きな政策の柱にしたい。

-市の活性化に向けた施策について

髙木 まずは、八木原地区や古巻地区など、市の南部地域を中心に開発を進めていきたいと考えている。その拠点となる八木原駅周辺の整備は、2025年ごろを目標に、市と県、そしてJR東日本で一体となって、駅西口の整備および東側駅前広場の整備、八木原駅の改築などに本格的に着手していく。また、南部地域の大きな建設事業としては、古巻公民館の改築も計画しており、24年度の供用開始に向けて基本設計と用地買収などを進めている段階。

JR渋川駅周辺整備事業は、3年をかけて、駅前広場のリニューアルを行う。公共交通機関が利用するエリアと一般利用者のエリアを分け、イベント広場を広くして多くの人が駅前に集い、活性化するように再編をしていく。

身近な生活道路などの整備は、快適な暮らしを支えるためにも重要な要素。地域の身近な道路の整備などには、これまでの4年間で約4億円を投入し、自治会長などの要望に応えてきた。地域でできる仕事は地域で行い、地域の経済を好循環させることが重要。9月補正予算では、通学路の安全点検の結果を受けた、生活道路の整備を進めていくための事業費を盛り込んだ。

-市役所新庁舎の建設について

髙木 老朽化や耐震上の問題などがあるので、今の庁舎はいずれは建て替える必要がある。そのために、庁舎建設基金で積み立てを行っている。財源の課題があるが、合併特例債の活用もにらみながら今後検討を進める。

合併により、市内には多くの公共施設がある。公共施設管理計画に基づき、43年度までに建物総延面積の15%縮減を目指しており、公共施設の整理等々と合わせて庁舎建設を考えなければならない。

-関越自動車道渋川インター北側に位置する中村交差点の渋滞緩和について

髙木 行楽シーズンには、渋川インターを降りる車で混雑が発生し、中村交差点で大渋滞が発生している。上信自動車道渋川西バイパスなど上信自動車道が開通すると、この渋滞が大きな課題となる。中村交差点がボトルネックや交通危険箇所になってしまうと、上信自動車道は地域高規格道路としての効果が薄れてしまうことになり、渋川市だけではなく吾妻地区全体の問題となる。そのため、国に対し上信自動車道期成同盟会などを通じて働きかけ、吾妻工区が完成するまでに、広域で中村交差点の立体交差化の実現に向け取り組みたい。

-災害・防災に対して

髙木 国土強靱化計画により国では5カ年で15兆円が設定されているので、それを期待して進めていきたい。

渋川市においても、地域国土強靱化計画を3月に策定した。その計画に基づき、国からの補助金を導入しながら、災害・防災施設を整備していく。

-建設産業にメッセージ

髙木 建設産業は社会資本の整備、維持を通じて市民の暮らしを守っている重要な産業。集中豪雨や大雪、地震などの災害や豚熱が発生した時に頼りになるのも建設産業。さまざまな面で我々の暮らしを守ってくれている建設産業を維持していくためにも、限界工事量を意識しながら小さな事業者も守っていきたい。公共事業の発注と合わせて、建設業者の雇用も支援していく。

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