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(社)群馬県建設業協会

群馬県建設業協会がICT施工の内製化についてアンケート

2021/10/05 群馬建設新聞


群馬県建設業協会(青柳剛会長)は会員企業へのアンケートで、会員企業271社のうち36・2%に当たる98社がICT施工の経験があることを示した。自社でICT施工を行う内製化については今後も取り組みを進める企業が98社のうち80・6%を占め、意欲が高い企業が多い。内製化の課題として挙がるのはICT人材の確保とソフトや建機などの費用。ICT施工に見合う事業の安定的な発注と小規模な工事での効率化が普及の鍵となりそう。

アンケートは国や県がICT施工の試行を開始して5年が経過したことを受けて行われた。

会員企業のうち、ICT施工を行って5年以上経過した企業は9社、3年~5年という企業は40社で、経験した企業の半数が3年以上継続している。一方でICT施工の件数については3件までの企業が70・5%、10件以上施工しているのは9・2%に留まっている。

作業を自社で行う内製化は、生産性のさらなる向上とICT施工の定着につながる重要な取り組み。しかし、作業全てを外注している企業が42・9%と高い状況となっている。特にICT施工の件数が1~3件と少ない企業は、すべて外注しているのが53・6%と半数を占めている。4件以上経験のある企業で全作業を外注しているのは17・2%となっており、件数が多い企業ほど内製化が進んでいることがわかる。

作業ごとの外注件数としては◇3次元起工測量=43件◇3次元データ作成=32件◇ICT建機施工=23件◇3次元出来高管理=26件◇3次元データ納品=19件◇全て外注=34件-で、工程が進むにつれて外注が少なくなっている。

内製化への課題としてもっとも多く挙がるのは「設備のソフトウェアが高額で更新に費用がかかる」の51社。以降は「設備を扱える人材不足」の50社、「ICT建機の購入費用が高額」の46社と続く。

課題はあるものの、今後の取り組みついて全て外注すると答えたのは19・4%となっており、内製化へ取り組む意欲が高い企業が多いことがわかる。工事件数ごとでも1~3件の企業で全作業を外注すると答えたのが26・1%、4~15件以上は3・4%と経験の多さが内製化への意欲につながっている。

内製化の課題としてあがる建機を含む設備の導入コストの高さとICT技術を持つ人材の確保。人材を確保・育成するための研修や設備導入への補助といった支援だけでなく、ICT施工が効果を発揮できる事業の安定的な実施と小規模なICT施工での効率化が求められる。

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