埼玉県電業協会(岡村一巳会長)は6日、さいたま市内の埼玉建産連研修センターで職長・安全衛生責任者能力向上教育を行った。講師には厚生労働省安全衛生トレーナーで、ケイ・教育企画サポート事務所主宰の小泉一夫氏を招聘。具体的な事例を挙げながら、11人の受講者へ責任者としての重要な役割を再認識させるとともに、現場における効果的な指導方法などを伝授した。
まず、小泉氏は建設業における労働災害の発生状況を説明。昨年度も全産業の死亡災害の約3割を建設業が占めていたことを伝え、このうち▽建設機械・クレーン等▽墜落・転落▽倒壊・崩壊――の三大災害が9割近くに上ることを指摘した。小泉氏は「労働災害の減少に重要な役割を果たせるのは、ここにいる皆さま方。労働災害を極力減らす、もっと言えばゼロにする努力をしてほしい」と強く呼び掛けた。
その後も労働災害の仕組みと発生後の各種対応、作業方法の決定と労働者の配置、作業設備と作業場所の保守管理の方法を説明。続けて、異常時などにおける措置や安全施工サイクルと安全衛生活動、責任者の役割を解説した。また効果的な指導方法、さらには危険性、有害性などの調査方法、設備や作業などの具体的な改善方法も紹介したほか、事故後の処理方法に関する災害事例研究を4つのグループに分けて行った。講義終了後には受講者へ終了証が授与された。