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千葉県鎌ケ谷市

民活導入視野に検討/北千葉沿線の土地利用等/二和川バイパス26年度完了/芝田裕美市長就任インタビュー

2021/10/13 日刊建設タイムズ

 7月18日投開票の鎌ケ谷市長選挙で初当選を果たし、市政50周年の節目に第4代市長に就任した芝田裕美氏は「北千葉道路は市の発展の起爆剤になる。開通に合わせ、まちづくりに関する計画を策定したい。民間活力の導入も視野に、さまざまな手法について検討していく」との考えを明らかにした。選挙戦では「災害に強い安全、安心なまちづくり」「にぎわいあふれる発展し続けるまち」「子育てがしやすいまちづくり」など5つの政策を掲げ、多くの市民からの負託を受けるに至った。災害対策に関しては、二和川バイパスと串崎新田貯留池の整備について、総合基本計画第1次実施計画満了までに完了させるとした。


 ――市長就任に際し、抱負・展望を聞かせてください。


 芝田 この度、多くの市民の負託により、市政運営を担わせていただくことになりました。日々、職責の重さを感じ、身の引き締まる思いです。

 市政運営で最も大切にしたいことは、お年寄りから子供まで全ての人が支え合い、笑顔で安心して暮らせるまちづくりの実現です。まちの特徴を生かし、選挙戦で掲げた5つの政策の実現に全力を傾けてまいります。

 その中でも、新型コロナウイルス感染症対策、子育て世代への支援、北千葉道路の整備を見通したまちづくりなどに、特に緊急的に取り組みます。


 ――北千葉道路の整備を見通したまちづくりについて聞かせてください。


 芝田 北千葉道路は、市内の交通渋滞の緩和、利便性の向上、沿道や周辺の土地利用が図られるなど、市の発展の起爆剤になるものと考えています。北千葉道路建設促進期成同盟の会長として沿線市の先頭に立ち、鎌ケ谷市内の早期事業化を関係機関に働き掛けるとともに、整備を見通したまちづくりを進めたいと考えています。

 沿道の土地利用においては、市の活性化につなげるとともに、緑豊かな環境にも配慮し、バランスの取れた土地利用を図る必要があります。

 開通に合わせ、関連する計画を策定し、県北西部地域を代表する拠点となるまちづくりを進めたいと考えています。市の活性化を基本として、民間活力の導入も視野に、さまざまな手法を検討していきます。


 ――公約に掲げた「災害に強い安全、安心なまちづくり」に関してお聞きします。


 芝田 災害時の被害を最小化する減災の考え方を基本として、地域防災力の向上などに取り組み、防災対策の強化を図ります。自助、共助、公助がそれぞれ補完し合いながら機能していく体制づくりが重要です。市民、自治会、建設業をはじめとするあらゆる事業者、そして行政が一体となって取り組んでいく必要があります。


 ――ハード事業の進捗状況を教えてください。


 芝田 準用河川二和川整備事業は、馬込沢地区の浸水被害軽減のために実施しています。事業区間は、道野辺地先の横下貯留池付近から東武アーバンパークライン馬込沢駅西口付近までの延長約1kmです。

 このうち、下流側の横下貯留池付近から牡鹿台ハイツ付近までの延長約480mについて、バイパス河川として市道にボックスカルバートを布設します。上流側の馬込沢駅西口付近までの延長約520mについては、用地取得し、拡幅する計画です。バイパス区間の工事については、26年度末までの完了を目指しています。

 県が進めている大柏川第2調節池整備事業と一体的に進めることで、長年の懸案である馬込沢地区の浸水対策が大きく進捗するため、最優先事業の一つであると考えています。


 ――串崎新田貯留池の整備について聞かせてください。


 芝田 北初富地区などの浸水被害を軽減するため、08年度に事業着手し、これまでに約2500tの貯留池を整備しました。今後、さらなる浸水被害の軽減を図るため、隣接する用地を新たに取得し、既存の貯留池と合わせて、全体で約7700tとしていく計画です。

 19年度に約5200tの整備に必要となる用地の取得に着手し、21年度末には約60%が完了する見込みです。今後も用地取得を進め、24年度の完成を目指します。


 ――「にぎわいあふれる発展し続けるまち」の施策として、東京10号線延伸新線跡地の活用した企業の誘致を挙げています。


 芝田 新鎌ケ谷地区にある跡地について、県が所有しており、今後、公募により土地の処分が行われる予定です。

 新鎌ケ谷駅に隣接した大変重要な土地であるため、にぎわいに資する土地利用を県に要望するとともに、引き続き協議を進めてまいりたいと考えています。


 ――「子育てがしやすいまちづくり」では、東部地区児童センターの建設が計画されています。


 芝田 児童センターのない東部地区に建設を計画しており、年度内に用地取得と設計業務を進め、22年度と23年度の2か年で建築工事を行い、23年度中の供用開始を目指しています。


 ――そのほか、力を入れていきたい主要事業について教えてください。


 芝田 都市計画道路、市道、下水道の整備や、建設から長期間を経た公共施設の長寿命化対策にも積極的に取り組みます。

 

公約実現に向け/建設業が不可欠

 

 ――地域の建設業への期待をお願いします。


 芝田 市のまちづくりのつくり手・担い手として、河川や道路などの都市基盤整備を担っていただいています。さらに、発災時の対応をはじめ、被災箇所の復旧時にも多大なるお力沿えをいただいています。

 公約で掲げさせていただいた政策の実現のための取り組みを進めるためには、建設業の皆さまの協力が不可欠です。今後とも、市政へのご協力をお願いいたします。

 雇用促進や地域経済活性化のため、市としても企業支援を含め、その育成に取り組んでまいりたいと考えております。

 

略歴

 

しばた・ひろみ

 1961年12月1日、鎌ケ谷市生まれ。82年、音響技術専門学院(現・音響芸術専門学校)卒業。83年、㈱セントラルファイナンス入社。2003年から19年にかけて、鎌ケ谷市議会議員選挙5期連続当選。21年7月18日、鎌ケ谷市長選挙で初当選を果たした。趣味は読書と音楽鑑賞。最近は歴史の本を嗜み、日本通史を学んでいる。音楽についてはエアロスミスからSnow Manまで幅広く愛好。常日頃から、誠実であるよう心掛けている。

北千葉道路の整備を見通したまちづくりについて語る芝田市長 芝田市長第4代市長に就任した

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