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栃木県安足土木事務所

安足土木、旗川年内に6工事発注、暫定改修進め稲岡橋架け替え

2021/10/16 日本工業経済新聞(栃木版)

 県安足土木事務所は1級河川旗川の改修で、年内に堆積土除去など河道掘削4件、立竹木除去1件、築堤による堤防強化1件の計6工事を発注する。全体計画4・2㎞のうち、令和元年東日本台風で氾濫被害の深刻だったJR両毛線から稲岡橋まで2・2㎞区間を先行。用地補償を進め、河積を確保する河道掘削や立竹木の除去、堤防が低い箇所の嵩上げなど暫定改修を実施する。下流の直轄河川区間の事業化を視野に毎秒700立方mの計画流量を見据えた対応で、河道拡幅に伴い稲岡橋は架け替える。

 旗川は2013年10月、県計画の渡良瀬川河川整備計画を変更。直轄区間の上流端から一般県道赤見本町線旗川橋まで4・2㎞を施行区間に位置づけて、計画流量毎秒700立方mに対応した整備を進めていく。

 国が17年度にまとめた利根川水系渡良瀬川河川整備計画によると、渡良瀬川合流部における旗川は毎秒700立方mに対応した整備を進めていくとしているものの、現状では毎秒300立方mにとどまっている。県管理区間の旗川は現状、毎秒150立方mにとどまっており、暫定計画として毎秒300立方mの流下能力を確保する整備を立案した。

 県の暫定計画は、毎秒300立方mに対応するため、現況の河川幅を2倍に拡大し、河川内に繁茂する立ち木を伐採、流下能力の向上を図る。一部、堤防の低い箇所があり、嵩上げを行い越水による被害防止を図るとした。事業区間上流端の稲岡橋は、将来計画の河川幅に対応する形で架け替えるとしている。

 将来の毎秒700立方mに対応した計画では、河川幅をさらに拡大。河床を掘り下げて、流下能力の一層の向上を図る。用地は将来計画に必要な河川幅で買収し、架け替える稲岡橋も700立方mを前提として設計に反映させる。橋梁設計は、オリエンタル技術開発(栃木市)が担当している。

 旗川の直轄河川区間は、渡良瀬川合流部から上流に2・2㎞。左岸側は引き堤による堤防整備が概成しており、現状の河川幅で河積を拡大。事業化後に国は、河道掘削や右岸側築堤などを進め、毎秒700立方mを達成していく見通し。これまでに防災・減災対策3カ年プログラムや20年度補正予算から始まった防災減災・国土強靭化5カ年加速化事業を充当し、堆積土除去や立竹木の伐採などを継続で進めている。

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