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市町公営企業決算 上下水道が増加、建設投資12.2%増の362億円

2021/10/22 日本工業経済新聞(栃木版)

 県市町村課は2020年度市町等地方公営企業(市町が組織する一部事務組合を含む)の決算概要をまとめ、規模は前年度比4・4%増の1167億100万円となった。増額は上下水道事業における資本的支出の増が主因。建設投資額の362億6600万円は、前年度に比べ12・2%増となり、金額で39億2900万円増加した。要因は上下水道の純増が大きい。

 20年度地方公営企業数は、前年度から1事業減り104事業(法適用企業70事業、法非適用企業34事業)で、事業数の78・8%は上下水道が占める。市町村合併などによりピーク時の02年度に比べ85事業減少している。

 構成比の高い事業は、下水道(法適用・法非適用)が24団体59事業で構成比が56・7%。次に上水道23団体23事業で構成比22・1%。宅地造成が7団体7事業で構成比は6・7%。

 公営企業全体の決算規模は、前年度に比べ48億9800万円増加。上下水道、病院、宅地造成の全事業で増加した。具体的には、下水道が4・3%増の630億3200万円、上水道3・8%増の470億2100万円。病院は1・6%増の31億8700万円。宅地造成52・2%増の21億4900万円。

 事業別収支では、赤字が前年度から1事業増え4事業。内訳は上水道・下水道(法適用)・病院・その他の各1事業となった。

 決算内容を見ると、法適用企業の純損益が前年度比49・4%増の97億6700万円で、金額として32億3000万円増加。事業数の多い上下水道事業が数字を押し上げた。累積欠損金保有事業数は4事業とし、前年度から2事業増えている。

 法非適用企業では、実質収支が62・9%減の7億1800万円となった。建設改良費など資本的支出も大幅に減少しており、前年度比78・3%減の43億8500万円にとどまった。

 建設投資額の事業別内訳は、上水道が6・0%増の175億9900万円で構成比が48・5%。下水道は16・8%増の168億1900万円で構成比は46・4%。宅地造成は32・8%増の14億3200万円の構成比3・9%となった。

 建設投資額は07年度997億1000万円のピーク時に比べ36・4%の水準。このうち46・4%を占める下水道は、99年度以降15年連続して減少。14年度は増加に転じたものの、15年度に再び減少した。ピーク時の96年度の667億9400万円と比べると、25・2%となっている。

 一方、企業債発行額は建設改良費の増加などで、前年度比19・2%増の168億4000万円。金額にして27億1100万円増加した。企業債現在高は3728億6200万円まで圧縮。事業別構成比は下水道の70・7%が最も多く、金額で2636億1900万円となった。なお、公営企業全体の決算規模1167億100万円の約3・2倍となっている。

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