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栃木県矢板市

矢板市、来年度早期に施工者選定、基本設計、RC2階延べ3269平方m

2021/10/23 日本工業経済新聞(栃木版)

 矢板市は、文化スポーツ複合施設(末広町)の基本設計をまとめた。建物はRC造2階建て延べ3269平方m(ランニングコース含む)で、周辺のサッカー場や市街地環境と調和する外観。市民の意見を反映させた実施設計を年度内に策定し、2022年度早期に施工者選定の手続きを開始する予定。22年8~9月に着工、23年12月の竣工、24年4月のオープンを目指す。本体工事費は15億8200万円、外構工事費に2億円を試算。基本・実施設計はフケタ設計(宇都宮市)が担当している。

 床面積は1階2414平方m、2階529平方m。1階は南にアリーナ(753平方m)、北に多機能ホール(794平方m)を配置し、中央のホワイエで機能を分離する。

 アリーナ、多機能ホールともバスケットボールコート1面を使った大会に対応する広さ。高さはバレーボールに対応できる10m。

 多機能ホールは文化会館の設備として折り畳み可動式のステージ(幅約14・6m、奥行き5・5m、高さ0・75m)と移動式観覧席518席(ひな壇式216席、簡易観覧席302席)を設置。観覧席はステージとともに壁面に収納し、スポーツのほかに災害時の避難スペースとして利用ができる。

 アリーナ側は器具庫(68平方m)、倉庫(28平方m)、設備室(25平方m)のほか、女子・男子更衣室やトイレ、シャワー室を設置。

 多機能ホール側の器具庫は2室(29平方m、55平方m)、設備室(39平方m)のほか、控室、放送室、倉庫など。

 ホワイエは西の出入り口付近に管理室(42平方m)や階段、エレベーターを配置。フットボールセンター側の東の出入り口付近の男女のトイレは屋外からも利用ができるよう扉を設置する。

 吹き抜けの2階はアリーナの周囲にランニングコース(約100m、幅1・8m)、ホワイエ上部にトレーニングエリア(173平方m)や矢板公民館の機能を引き継ぐ研修室1(50平方m)、研修室2、3(各27平方m)、倉庫、トイレを配置。

 研修室の1は音楽ができるよう防音効果を高め、2と3は可動式間仕切りで柔軟な利用に対応。東側には「たかはらテラス」を設ける。

 設備計画は、管理室などの部屋はパッケージエアコンとし、LED照明を設置。換気設備は全熱交換機、天井が高いホールやアリーナは発表や競技に空気の流れが影響しないよう人が行動する床から2mの高さを空調する置き換え方式を採用する。

 外観は市を象徴する高原山をイメージし、サッカー競技に支障がない藍色を採用。共用スペースは活動状況が見えるよう大きな開口部を設ける。1階の外壁には地元産の木材を使用する。

 計画地は末広町のとちぎフットボールセンターの西側の敷地約1万9181平方m。建物は敷地中央部に集中している排水管や既存の基礎杭を避け、南側に配置。周囲は約400台分の駐車場とする。

 建物の周囲は庇の下を回廊とし、ゲリラ豪雨の一時避難や災害時の作業スペースにも活用できる空間を確保。男子トイレは大便器7、小便器10、洗面台5、女子トイレは大便器11、洗面台7とし、多くの利用者に対応できる数を揃える。

 南側に防災倉庫(50平方m)を設置。非常用発電設備、受水槽、かまどベンチ、井戸などの設置を計画。最先端のトレーニング環境などに対応する高度情報通信機器も導入する。

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