県は長寿命化修繕計画と5年に一度の目視点検で、健全度2判定に位置づけた橋梁と歩道橋の補修対策に着手する。国が補助対象として拡充したもので、9月補正予算に27億9462万円を配分、3判定と合わせ31橋梁の補修工事を実施する。県道路保全課によると、2014年度から5カ年で実施した1巡目点検の2判定と、現在実施中の2巡目点検で3判定となった緊急性の高い橋梁を抽出。立体交差の跨線・跨道橋や緊急輸送道路の河川橋など優先順位をつけ、対策を実施していく方針を示した。
県長寿命化修繕計画では劣化状況等で橋梁・歩道橋を4区分し、このうち2判定以上を補修対象としている。県管理道路のうち橋長2m以上が3040橋(分離橋は個別にカウント)あり、最も状態の悪い4判定は該当がない。
1巡目点検時の対象は橋梁が3024、歩道橋170カ所とし、3判定とされた214橋について工事を完了、あるいは着手済みとした。
2巡目で新たに3判定となったのは64橋で、2判定の橋梁1698と歩道橋49とともに、緊急性の高い箇所から対策を実施するため、国庫補助を充当し予算化した。補助率は55%。
補修工事は断面修復や伸縮装置の更新、桁の再塗装、ひび割れ補修など。損傷程度に応じて3判定が緊急修繕、2判定は予防保全の対策を実施する。歩道橋は再塗装を主体に延命化を図る。
具体的には、佐野市の国道293号葛生大橋(橋長83・1m、秋山川)が、伸縮装置の更新や橋面舗装。那須烏山市の主要地方道那須烏山御前山線烏山大橋(橋長532m、那珂川)は、斜張橋のケーブル補修と橋面舗装を実施。鹿沼市の主要地方道鹿沼日光線赤石橋(橋長141・8m、大芦川)は、伸縮装置を更新する。
那須塩原市の主要地方道黒磯棚倉線昭明橋は1級河川那珂川を渡河し、車道橋(橋長115m)と側道橋(橋長91・2m)に分離。上路式アーチの側道橋を先行し、補正予算では車道橋の下路式アーチ部の再塗装を実施する。
栃木市の主要地方道宇都宮亀和田栃木線合戦場陸橋(橋長270・9m、東武日光線)は、橋面舗装に加え、伸縮装置の交換とひび割れを補修する。足利市の一般県道佐野太田線川崎橋(橋長389m、渡良瀬川)では、継続で桁の塗装を実施している。
歩道橋は、宇都宮市の主要地方道宇都宮笠間線簗瀬歩道橋などに予算付けした。
長寿命化修繕計画は国のアセットマネジメントと呼応し、限られた予算の中で適切な管理水準を確保することが目的。適時・適切な補修や修繕の実施により、橋梁・歩道橋の寿命を延命させることで、トータルコストを縮減する。