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流域水管理研究所が発表会開く

2021/10/29 埼玉建設新聞

 流域水管理研究所(代表理事=虫明功臣・東京大学名誉教授)は26日、第2回研究発表会をWeb上で開催した。地方公共団体職員、建設コンサルタント関係者ら約200人が聴講した。キーワードに「マネジメント」を掲げ、全体最適、多重防御の概念を定着させて「全国各地で地域の特色ある水マネジメントの実践が進む」(佐藤直良企画運営委員長)ことにつなげていきたい考えだ。

 冒頭に虫明代表理事は、2010年5月に研究所を設立した当時、「建設コンサルタントの政策立案能力、技術力のさらなる向上が不可欠」という問題意識を持っていたことに言及。流域の水管理に関する調査研究を進めることで会員相互の支援、交流につなげる目的を語った。

 基調講演では元パシフィックコンサルタンツ社長の高木茂知氏が「流域治水は河川行政における最大のトピックス」と言い切った。河川行政の周辺にとどまらせるのではなく、国土インフラ整備の基軸に発展させていかなければならないと持論を展開。

 推進に向けたコンサルタントの未来、変化の方向としては「オープン化と多様性の融合」を掲げた。今の延長線上ではないビジネスモデル、新たな行政・学者・産業界の役割、地域との関係再構築を模索してほしいと呼び掛けた。

 研究成果は「流域水マネジメントのススメ」について発表。流域毎に異なる条件や課題に対し、どのように考えて取り組めば良いか、ヒントを得られるように実例を示している。

 このほかのテーマでは、河川管理施設を長く良好な状態で維持していくことを目的に、性能の劣化を示す「性能評価値」を設計段階でどのように反映させていくかの研究についても発表した。

 閉会に際して佐藤委員長は「流域水マネジメントのススメは、SDGsで提唱された持続可能な地域経営の大きな柱になり得ると確信している」と締めくくった。

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