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国土交通省国営常陸海浜公園事務所

樹林整備など45億追加/28年度の全面開園目指す

2021/11/06 日本工業経済新聞(茨城版)

 国土交通省国営常陸海浜公園事務所は、事業費45億円を投じて未開園区域となっている樹林エリアや海浜部の整備、既開園エリアの長寿命化に取り掛かる。2028年度の全面開園に向けて樹林エリアでは、休憩施設棟やトイレの建築、電気・給排水設備、松枯れ対策などを実施する。海浜部では、安全対策として管理柵の整備を計画している。既開園エリアについては、受変電設備や給排水設備などの再整備のほか、多客・バリアフリーなどへの対応も検討していく。

 公園北側に位置する樹林エリア(112ha)では、24年度末にエリア南側を先行開園、28年度には全面開園を計画している。休憩施設棟やトイレは南側と北側に1カ所ずつ設置し、園路や植栽、電気・給排水設備などを整備する。南側の休憩施設棟建築に向けては、実施設計を日本工営㈱(千代田区)が年度内にまとめ、22年以降に工事に取り掛かる。

 本年度には先行して、12月までに一般競争入札で伐採工や園路整備、給排水設備などの工事を発注する。工期が8カ月を予定し、発注規模については1億円から2億円未満を試算する。

 サイクリング園路整備についても、1~3月に一般競争入札での発注を予定している。約7カ月の工期で、工事発注の規模が1億から2億円未満。みはらしの丘から広場までをつなぐものとして、給排水設備に関する管路の埋設、受電設備や放送設備のための管路の埋設などに着手する。

 またエリア内では、アカマツの松枯れが進行するほか、共生するオオウメガサソウの群生衰退も進んでいる。薬剤注入などの松枯れ対策や基盤整備を行うほか、開園時から継続している不発弾探査も引き続き実施していく。

 樹林エリアは、海岸地域固有の自然景観や生物が保存されており、自然環境を生かした体験ができる場として整備する。運用にあたっては、民間活力を活用したPark-PFI導入も検討しており、魅力向上とコスト縮減を図っていく。

 砂丘エリア内で未開園区域となっている海浜部では、海岸砂浜に柵を設置する。延長約1㎞でアルミフェンス(H1・8m)を整備し、安全管理や海浜生物の保護につなげる。

 既開園エリア(215・2ha)では、老朽化の見られる受変電設備や給排水設備などの更新を計画。このほか、記念の森ウッドデッキや入場ゲート、グラスハウス、管理センターの空調設備や換気などを改修する。

 記念の森ウッドデッキでは、全面改修を視野に入れながら、日常の管理の中でどこまで改修するかを調査・検討していく。実施設計を㈱エイト日本技術開発(岡山県)がまとめる。履行期限は22年2月28日までとしている。

 多客・バリアフリーの対応としては、西口翼のゲート付近でのスロープ改善などを含めて最適な方法を検討していく。

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