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【新しい資本主義】地方活性化へ積極的投資/緊急提言に盛り込む

2021/11/10 本社配信

 政府の新しい資本主義実現本部(議長・岸田文雄首相)は8日、岸田内閣が当面、最優先で取り組むべき項目を緊急提言としてまとめた。真っ先に取り組む課題は、今後策定する経済対策の中で実行に移すことにより、新しい資本主義の起動につなげる。成長戦略では①科学技術立国の推進②イノベーションの担い手であるスタートアップの徹底支援③デジタル田園都市国家構想の起動④経済安全保障の推進を、分配戦略は①民間部門における中長期も含めた分配強化の支援②公的部門における分配機能の強化―を柱に据えた。デジタル田園都市国家構想では、地方活性化に向けた基盤づくりへの積極的投資として、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の推進や豊かな田園都市国家を支える交通・物流インフラの整備、PPP/PFIの推進に言及した。

 緊急提言では、5か年加速化対策に基づき、激甚化する風水害や切迫する大規模地震等への対策、予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けた老朽化対策の加速、国土強靱化に関する施策を効率的に進めるためのデジタル化等の推進の各分野について、取り組みを進めるとした。また、地方の産業を支え、物流効率化や地域交通の安定的確保につながる道路ネットワーク、港湾の整備など交通・物流インフラの整備を推進することを盛り込んだ。PPP/PFIに関しては、空港分野や林業分野で活用に向けた検討を行う。

 住宅・建築分野における脱炭素化は強力に推進する。具体的には、2025年度までに住宅や小規模建築物を含めた全ての建築物を省エネルギー基準の適合対象とするとともに、5000万戸を超える既存住宅の省エネリフォームを推進するため、低利融資制度を創設する。木材利用促進では、木造建築物に対する構造計算の規制や防火規制を改正する方針で、次期通常国会への関連法案提出を目指す。

 分配戦略では、政府調達の対象企業の賃上げを促進するため、賃上げを行う企業から優先的に調達を行う措置など政府調達の手法見直しを検討するほか、科学技術の振興、経済安全保障、重要インフラ整備などの国家的な課題に計画的に取り組むなど財政の単年度主義の弊害是正に向けて、複数年度の視点の反映を検討するとした。

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