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栃木県栃木土木事務所

栃木土木 巴波川9200mを掘削、嵩上げ、愛宕堰改築と築堤先行

2021/12/01 日本工業経済新聞(栃木版)

 県は栃木市街地の1級河川巴波川現川と地下捷水路を受ける下流側9200mの改修で堰4基の整備を想定しており、区間上流端の愛宕堰の改築を先行して計画していることが分かった。愛宕堰周辺は瀬が割れた無堤防区間。県栃木土木事務所によると、堰が流況の阻害要因となっており、新設の堤外水路を樋門に直結するよう再整備を検討している。河道計画と詳細設計は、栃木県用地補償コンサルタント(栃木市)が担当。9200m区間は1次改修を完了しており、現状の河川幅で河道掘削や堤防嵩上げを行い流下能力の増大を図る。

 改修を想定している堰4基は、上流側から愛宕堰、川島堰、鹿島堰、無名堰で、いずれもコンクリートの固定堰。このうち川島堰は1940年、鹿島堰が69年に設置されるなど全体的に老朽化が進んでいる。

 愛宕堰の改築は、上流側で始まっている激特事業を流用する見通し。地下捷水路は一定の降雨によりゲートを開けて水を誘導する計画で、本川と捷水路が合流する直下流に位置する愛宕堰への影響が高いと判断。22年度にも工事に着手できるよう準備を進めていく予定。

 構造物ではこのほか、橋梁2橋、排水樋管2基を計画。橋梁は巴波川浄化センター西側とみずほ企業団地付近に架設されており、2橋とも多径間の生活道路の橋梁。流況の阻害要因となっていることから関係者と協議し、架け替えか撤去などを検討していく。

 巴波川9200mの改修は、22年度から国庫を充当し整備を進めていく計画で測量や詳細設計、用地調査などに着手するほか、優先箇所の工事にも着手していく見通し。これまでの整備で必要な用地が取得済みとなっており、現状の河川幅で河道掘削や現河川の法線を生かした築堤を行い流下能力の増大を図る。

 計画規模は1/30。計画流量は、下流側の新巴波川橋~愛宕橋までが毎秒220立方m、愛宕橋~平成橋までは毎秒150立方m。計画河床勾配が1/430~1/700で、築堤7000立方m、掘削6万立方m、護岸工2500平方m。

 総事業費に約22億円を試算し、内訳が測量設計費3億円、用地補償1億円、工事費には18億円を投入する。

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