県土木部は十五日までに、十年発生一級河川余笹川災害復旧工事(那須町)の大型構造物横断工区二カ所に公募型指名競争入札を適用する方針を固め、来週早々にも公告する。特定JVによる十年災害関連工事の入札は初めて。定例九月県議会案件として八月中の入札を予定している。
公募型の対象となったのは寺子及び黒田原地先と、寺子丙地先の二カ所。寺子及び黒田原地先は一般県道豊原高久線・中余笹橋、JR東北線・余笹川橋梁、町道に架かる中余笹橋の横断部近辺。寺子丙地先は東北新幹線高架橋横断部から上流側。延長はそれぞれ五〇〇~六〇〇m程度となる。
いずれも県道、JR橋梁の改築は行わずに、供用しながら改修工事を進める高度な技術力が必要となり、公募型に決まった。
改良工事は中余笹橋区間が河川断面(天幅)二四~二五m、流下能力毎秒五六〇立方mの開削、築堤、護岸工、根固工、帯工に加え、町道中余笹橋の下部工が含まれる。県道・JR橋梁部は橋台、橋脚を現況確保しながら開削を進める。
新幹線区間は、既発注の第六工区(寺子丙地内、延長七〇〇m)直上流部から余笹川災害復旧事業(一定災)区間上流端となる四ツ川との合流点まで。河川断面は二四m程度で毎秒四〇〇~五六〇立方mを確保する。合流部手前で新幹線余笹川橋梁を現況確保し、掘削、築堤、護岸、根固の各工事、一部帯工を施工する。
土木部ではこのほかにも今年度余笹川、黒川で経常JV工事と特定JV工事とを集中して発注する計画で、うち三件程度が特定JVの対象となる見通し。設計書が間に合い次第、知事専決案件として順次入札手続きに入る予定。このうち余笹川では一般県道稲沢高久線協和橋(沼野井地内)、黒川では主要地方道大田原芦野線黒川橋、主要地方道大子那須線豊富橋、町道橋の豊原水管橋、大昭橋など橋梁改築を含む工事が残されている。
また、未発注の四ツ川は用地の権利関係洗い出しが終わったものの、他県在住の権利者もいるため、早急に事業同意を得て、極力年度内の発注に向け準備を急ぐ。
三河川の復旧・改良工事の発注状況は、現在までに余笹川が川田橋の撤去を含む下流側の第七工区から上流側へ十二件、黒川は一般国道二九三号樋世原橋下部工を含む第一工区から五件の計十七件、発注延長は余笹川が七、九八七m、黒川が七、〇八〇mとなっている。