記事

事業者
国会

【施政方針演説】国土強靱化対策を強化/岸田首相が強い覚悟示す

2022/01/18 本社配信

 17日に召集された第208回通常国会における施政方針演説で、岸田文雄首相は強い覚悟を持って災害対策に取り組む考えを示した。切迫する南海トラフの巨大地震や首都直下地震、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震、風水害、豪雨への備えのため、5年間で15兆円規模の集中対策を進めるとし「引き続き強い覚悟を持って、防災・減災、国土強靱化を強化する」と強調。昨年、静岡県熱海市で発生した土石流災害の再発防止に向けては「これまで規制をかけることができなかった地域においても、危険な盛り土を規制するための法律を整備する。併せて全国に3万6000カ所ある点検が必要な盛り土の安全確保も進める」との意向を表明した。

 新しい資本主義に向けては、さまざまな弊害を是正する仕組みを「成長戦略」と「分配戦略」の両面から資本主義の中に埋め込み、資本主義がもたらす便益を最大化すると説明。成長戦略の第一の柱にはデジタルを活用した地方の活性化を挙げ、デジタル田園都市国家構想を強力に推進するため、インフラ整備、規制・制度見直し、デジタルサービスの実装を一体的に動かすとした。分配戦略では所得向上につながる「賃上げ」の重要性を指摘。未来への投資である賃上げが原動力となって、さらなる成長につながる好循環を作るため「賃上げ税制の拡充、公的価格の引き上げに加え、中小企業が原材料費の高騰で苦しむ中、適正な価格転嫁を行えるよう環境整備を進める」とした。

 岸田首相は、さらに建設工事受注動態統計調査における不適切処理問題にも触れ、第三者委員会が公表した検証結果を真摯に受け止め国民にお詫びするとともに、関係大臣に対し再発防止に取り組むよう指示したとし「政府統計全体の信頼を回復するべく、指導・監督していく」と述べた。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら