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小山で自動運転バス実験、市街地の安全、円滑な運行を検証

2022/01/18 日本工業経済新聞(栃木版)

 県は16日、小山市のJR小山駅~白鴎大学大行寺キャンパス間(1・8㎞)で自動運転バスの実証実験を開始した。交通量や信号が多い市街地で初めての実験。2カ所の交差点では道路に信号などの情報をバスに伝える支援装置を設置し、安全性や円滑な運行を検証する。期間は29日まで。

 実験は2025年度の自動運転バス本格運行を目指す県ABCプロジェクトの取り組み。昨年6月の茂木町に続き2カ所目。

 ルートは県道の小山停車場線、栃木小山線などを通過。午前9時から午後5時まで1日7往復運行する。自動運転レベルは2。

 国道4号交差点では信号機と実験バスを通信連携させ、信号が変わるまでの時間などの情報を提供。西日や街路樹などの影響を受けずに信号の色を認識できるほか、予備減速による安全な停止を可能とする。

 大学入り口の交差点では道路にセンサーを設置。周囲を走行する車両や横断待ちの歩行者、自転車などの情報をバスに送信し、安全な通過を支援する。

 停留所は10カ所。市内を走る「おーバス」とダイヤを連携させ、記念乗車券の提示で対象飲食店の割引サービスが受けられるなど地域と連携した取り組みも行う。

 大行寺キャンパスでの出発式には浅野正富小山市長、県議会の板橋一好議員、白石資隆議員、中屋大議員、西村しんじ議員らが参加。

 県県土整備部の田城均部長は実験概要を説明し「得られた知見や意見を基に市町や交通事業者と連携し、自動運転技術の導入に向けた機運醸成を図っていく」と述べた。

 乗車した浅野市長は「不安を感じることはまったくなかった。自動運転技術のレベルが上がっていると感じた」と感想を述べ「多くの市民、県民にバスを体験し、最新の技術に触れていただくことで自動運転への理解を深めてほしい。公共交通を充実させたいと考えており、自動運転バスが現実になる時に備え準備をしていきたい」と話した。

 県は23年度までに実証実験を中山間地や市街地、観光地など県内10カ所で計画。21年度は茂木町、小山市に続き、2月下旬頃に壬生町(道の駅みぶ)で実施する予定。那須塩原市(塩原温泉郷)でも春の実施に向け準備を進めている。

 22年度は那須町(黒田原駅周辺)、宇都宮市(西川田駅~県総合運動公園)、足利市(足利学校周辺)、23年度に日光市(奥日光低公害バス路線)、下野市(自治医大駅~自治医大病院)、芳賀町(芳賀工業団地)で予定している。

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