県と三郷市の連携事業により大場川下流排水機場に増設された排水ポンプが4月、運用を開始した。県の従来計画を上回る排水能力15立米/秒を生かし、大場川下流域の河川水位を大幅に低下させる効果が期待できる。12日に開かれたお披露目会には、海老原正明越谷県土整備事務所長や木津雅晟三郷市長、地元の町会長らが集まった。
県が各市町と進める連携浸水対策事業のうち、ポンプ増設にこぎつけたのは三郷市が初。県は約8・8億円、市が約4・4億円を負担し、事業費約13・2億円を投じた。事業期間については、2019年度から21年度までの3年間。
県と市が個別に整備を行う従来手法に対し、費用を約15分の1に抑えている。20年以上を見込む事業期間に関しても3年に短縮した。
今回増設したポンプの排水能力は1秒当たり15立米。県必要分10立米/秒、市必要分5立米/秒を確保している。県の従来計画を上回る水量を、大場川から江戸川へ強制排水することが可能となる。排水機場の能力は、1秒当たり20立米から35立米に向上した。
三郷市戸ヶ崎地区や鷹野地区が広がる大場川下流域は過去、台風や豪雨による内水被害に苦しんできた。13年に発生した台風26号の際は118棟が家屋浸水の被害を受けている。
各地の内水被害を軽減させるため、県は11年度から河川下水道事業調整協議会の設置を開始。現在、20市1町と連携を進めている。