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農林水産省,国土交通省

【盛り土規制】9月までに基準案提示/防災対策検討会が初会合

2022/06/16 本社配信

 危険な盛り土などを全国一律の基準で包括的に規制する「盛り土規制法」が5月27日に公布されたことを受け、国土交通省と農林水産省は安全基準の在り方等を協議するため、15日に盛り土等の防災対策検討会(委員長・二木幹夫ベターリビング総括役)の初会合を開いた。検討会では、①許可等の技術的基準②区域指定の考え方③基礎調査の在り方④不法盛り土の対応―を議論する方針で、2023年5月までの法施行を見据え、9月中には基本方針や技術基準、基礎調査実施要領などの案を提示し、都道府県等が万全の準備ができるようにする。

 冒頭、国交省の宇野善昌都市局長は「法律の趣旨は盛り土等に伴う災害から人命を守ること。法律を実効性あるものにするためには、都道府県等が行う規制の実効性を確保する必要がある。国としても最大限参考になるようなガイドラインや基準を示していかなければならない」とした上で「われわれとしては、二度と熱海のような災害を引き起こさないという決意を持って取り組んでいる。より安全性を担保できるような仕組み・基準の作成をお願いしたい」とあいさつ。農水省の赤松忠幸大臣官房審議官は「新たな法制度が円滑に施行されるように、農地や森林といったものの現場実態に即したルールづくりが必要。国交省や関係省とも連携して取り組みたい」と話した。

 検討内容のうち、許可等の技術的基準では、従来の宅地造成等規制法における安全基準の対象を拡大し、宅地以外に森林や農地までを含めて土地の用途に関わらず規制を掛けるため、新たな基準を検討する。区域指定に関しては、基本方針の中で基本的な考え方やガイドラインを示し、都道府県が円滑にエリアを必要かつ十分に指定できるようにしていく。また、区域指定の前提として都道府県が基礎調査を行うため、基本方針の中で考え方を示し、ガイドラインもまとめる。

 不法盛り土への対応では、地方自治体がこれまでの行政指導にとどまらず、強制力のある命令や場合によっては行政代執行まで行えるような基準等を整備する見通しだ。


【写真=法律の実効性確保へ基準の検討に着手した】

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