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栃木県那須烏山市

那須烏山市、新庁舎整備検討を再始動、25~26年度設計、27~28年度に建設、23年度に基本構想策定

2022/09/29 栃木建設新聞

 那須烏山市は28日、市庁舎整備基本構想素案の見直し方針を定め再検討を本格的に開始することを公表した。今後は各庁舎や南那須市街地、烏山市街地のまちづくりの方向性も踏まえながら庁舎の規模を再検討。中央公園を含め候補地も再検証する。目指す整備スケジュールは2023年度前半に庁舎整備等検討委員会に再諮問し、後半に基本構想を決定。24年度に基本計画、25年度に基本設計、26年度に実施設計、27~28年度に建設工事を行い竣工させる。

 市庁舎の整備について市は17年10月に庁舎整備等検討委員会を設置して基本構想の協議を開始。中央公園(中央2丁目)を候補地として21年6月には基本構想素案のパブリックコメントを実施した。

 その後、19年の東日本台風による被害や防災集団移転、南那須地区広域行政事務組合の衛生センターと那須南病院の建て替えといった行政課題が浮上。

 新型コロナウイルス感染症やデジタル化の進展など社会的な変化もあり、市は基本構想素案に多くの検討の余地があると判断。

 市民へ庁舎整備に関する検討内容を周知するニュースレターも発刊し、市民や市議会の意見を聞きながら基本構想素案の本格的な見直しに着手する。基本構想素案では庁舎の規模は延べ床面積約6000平方m、本体建設工事費は概算30億円としていた。

 基本構想素案の見直しポイントは①烏山庁舎、南那須庁舎、保健福祉センター、水道庁舎の4庁舎の扱いについての具体的な検討②庁舎規模の再検討③「南那須市街地」「烏山市街地」のまちづくりの具体的な方向性の検討。

 4庁舎については公共施設等総合管理計画に基づき、烏山庁舎と南那須庁舎は本庁舎移転後に用途を廃止し、効果的な跡地利用を検討。保健福祉センターは支所機能と災害時の避難所機能を兼ねて運用。水道庁舎は本庁舎への移転、大規模修繕、移転新築などを検討する。

 庁舎の規模は職員数の想定を踏まえて必要な延べ床面積を再度精査する。また、整備完了までに耐震性不足の烏山、南那須両庁舎を現状のままとすることについても考慮が必要とした。

 南那須市街地のまちづくりの方向性は、大金駅を中心に生活を支える拠点を形成し、定住拠点としての機能を向上。公共交通ネットワークも充実させる。南那須庁舎の跡地利用は定住拠点としての機能向上を図る検討を進める。

 烏山市街地の方向性は、烏山駅から歩いて利用できる範囲に公共施設を集積する。本庁舎の立地場所としてまとまった公有地が確保できる場所は中央公園以外に見当たらないと指摘。ただ、公園内に立地している烏山公民館、烏山体育館などの代替施設を検討し、改めて検証する必要があるとした。

 烏山庁舎の跡地利用については公共施設等総合管理計画を踏まえて烏山公民館、烏山体育館、烏山図書館などの方向性を検討していく。

 庁舎整備の目的については①災害発生時の災害復旧拠点・防災拠点機能②コンパクトシティを念頭に置いた都市再生(市街地再生)の実現③利便性が高く機能的で誰もが利用しやすい庁舎④市民との協働や市民交流が図れる庁舎⑥SDGsに配慮した環境にやさしい庁舎-の5つを挙げた。

 22年度は基本構想素案見直し方針に対する市民意見の聴取、候補地に関する都市計画などの有識者からの意見聴取などを実施する。

 庁舎整備に必要な公共施設関係基金の21年度末の状況は庁舎整備基金19億円、市有施設整備基金20億円。14年度末に比べ22億円増加している。

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