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国土交通省阿賀野川河川事務所

羽越本線洪水防止連携事業が竣工

2023/06/09 新潟建設新聞

 北陸地方整備局阿賀野川河川事務所とJR東日本が進めていた羽越本線洪水防止連携整備事業の完成を祝い3日に竣工式が執り行われた。JR羽越本線の阿賀野川橋梁と交差する阿賀野市下里地区の阿賀野川右岸堤防は、橋りょう桁部が前後の堤防よりも約1・8m低く、出水の度に地元消防団が出動し、水防活動が行われていた。2011年の新潟福島豪雨では、水位が堤防を越えるまで40cmに迫っている。危険箇所の解消へ橋りょうの一部架け替え、橋脚補強と河道掘削、右岸堤防の特殊堤設置によるかさ上げ、拡幅等に着手。JRが橋梁の架け替え、橋脚補強を行い、堤防の改築を阿賀野川河川事務所が実施。事業に先立ち河道掘削および樹木伐採も行われている。

 右岸堤防のかさ上げでは、橋桁1スパンを薄い改良桁へ架け替え、特殊堤を設置する空間を確保している。特に橋梁架け替えや特殊堤型枠設置の作業は、列車の運行停止を回避するため、夜間1日の作業で行われた。

 また河道掘削で発生した土砂は、堤防の整備をはじめ、水原バイパスや道の駅「あがの」の盛土に活用されている。

 阿賀野川治水協会会長の田中清善阿賀野市長は、「当市にとって堤防整備は長年の懸案となっていた。地元にとってはこの上ない喜び。近年は気候変動により水害の頻発化、激甚化が著しくなっている阿賀野川においても危険箇所が数多く残され、一日も早い治水対策が望まれる」とし、北陸地整の内藤正彦局長は「堤防整備や河道掘削が完成したことは、阿賀野市消防団の水防活動の負担が大幅に減り、阿賀野川流域の安全安心な暮らしの実現と産業経済活動を支える基盤をより強固なものとすると確信している」と話した。

【写真=竣工祝いくす玉開披】

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