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茨城県土浦市

駅北再開発で基本設計/一般会計は430億に/土浦市18年度予算案発表

2006/03/04 日本工業経済新聞(茨城版)

 土浦市はこのほど、平成18年度当初予算案の概要を明らかにした。一般会計は、農林水産業費や総務費、教育費が落ち込んだことから前年度当初比0・9%減の430億9000万円とし、このうち普通建設事業費を前年度当初比12%減の24億4069万5000円とした。主要事業として、図書館と高層マンションの複合再開発ビル建設を核とした土浦駅前北地区市街地再開発事業費に約1億8000万円。18年度に着工する博物館展示室改修費に7250万円。新規では、上大津西小学校の耐震補強と大規模改造の実施設計費、土浦第三中学校の柔剣道場棟改築の実施設計費を計上。一方、下水道事業特別会計では、桜川ポンプ場改築費や塚田ポンプ場改築の詳細設計費など、ポンプ場改築費に3億8016万円。農業集落排水事業では、18年度から処理場土木工を行うため西根地区農業集落排水事業費に1億5122万8000円。水道事業では、老朽管更新事業費に2億3846万円を新規計上した。( 面に主要事業)

 土浦駅前北地区の市街地再開発事業は、民間と市が所有する敷地1万1260㎡に、市立図書館や14階程度の高層マンションを核とする複合再開発ビルを20年度から2か年で建設するもの。

 現在、タタキ台となる原案を都市再生機構が策定中。18年度は、5月ごろに都市計画決定を目指すとともに基本設計に着手し、19年度の実施設計へつなげていく。市のプロジェクトチームでは、プロポーザルでの設計者選定も視野に検討を進めている。

 18年度は、基本・実施設計をはじめ、事業計画や資金計画、権利、不動産鑑定、建物調査委託、地盤調査委託のコンサル費用として約1億8000万円を計上した。施設の完成は22年春を想定している。

 市立博物館(中央一丁目)は昭和63年、考古、歴史、民俗資料の施設として開館したが、考古学専門の博物館が上高津に開館し、重複資料があることから、住み分けをするため常設展示室をメーンに改装するもの。

 (株)丹青社が3月15日を納期に実施設計を策定中。それによる計画では、2階の常設展示室の間仕切りを可変式にし、容易な模様替えができるように改装。また1階に土浦城藩主、土屋家の特設コーナーを設けるなど、近世江戸時代を中心とする。19年1月着工で同夏ごろのリニューアルオープンを目指す。

 上大津西小の校舎棟は、枝川建築設計事務所が平成11年に耐震診断を行った結果、耐震性の問題が指摘されたことから、耐震補強と大規模改造を計画。18年度は実施設計を策定するため400万円を計上。

 昭和49年建設のRC造3階建て延べ1430㎡をメーンに、昭和63年建設のRC造3階建て408㎡と併せた給排水の整備も見込む。

 土浦第三中では、柔剣道場棟の改築に向けて実施設計に着手する。費用は700万円。(株)アミ企画設計が耐力度調査を行った結果、基準を満たしていないことが分かったため危険建物として改築するもので、S造平家建て延べ680㎡前後を計画している。

 このほか款項目の主な費用を見ると、民生費では(福)道寿会の特別養護老人ホームなごみ(施工者(株)大久保建設、定員50名、RC造2階建て延べ3450㎡、18年8月開設)への施設整備費2475万円。

 また、公共施設6箇所の改修や低床バス導入を補助する、人にやさしいまちづくり事業費1432万4000円を新規に計上。

 衛生費では、市営斎場の式場祭壇や椅子を更新するための事業費554万8000円、湖岸域の適した砂浜を選定するため調査費200万円を盛り込んだ。

 農林水産業費には、JA農産物直売所の整備費に2700万円を補助するほか、手野地区の県営圃場整備事業負担金3885万円、農道・かんがい排水整備事業費1734万6000円、さらに新治地区のむらづくり交付金事業として調査測量委託費や路線・用地測量費に3060万円を計上。

 土木費は、前年度当初予算と比べて微増で、38路線(うち新治地区は2路線)の道路改良事業費に11億607万4000円、富士崎一丁目地内人道橋新設工事に900万円、備前川19号橋補修工事に500万円。

 また、都市下水路整備工事2路線などを含む事業費に8026万2000円、小規模排水路整備工事1路線を含む事業費1300万円を計上。

 さらに、電線地中化や道路修景整備を行う歴史の小径整備事業費に6700万円、都市計画基礎調査事業委託費1200万円、既存建築物の耐震診断事業費(200戸)640万円を新規に盛り込んだ。

 都市計画街路事業には、大和上高津線、川口田中線、川口田中線、木田余神立線を対象に事業費1億7750万円。神立駅西口地区土地区画整理事業で調査委託費1886万円。

 教育費は、右籾小、中村小の学校耐震診断調査委託費1972万9000円をはじめ、第二小学校給水管改修の実施設計費と工事費に1300万円、土浦第三中学校の外壁改修費に1700万円。

 放課後自動対策事業として東小児童クラブ室新築、土浦小児童クラブ室改修、上大津西小児童クラブ室改修に2473万円。

 水郷プールスライダーの撤去費には900万円、亀城公園プール撤去費1500万円、また新治トレーニングセンター床研磨工事費200万円を新規計上する。

 一方、下水道事業特別会計では、塚田ポンプ場改築に向けた詳細設計費などを含むポンプ場改築事業費3億8016万円、公共下水道(汚水)整備事業費4億4192万円、木田余などの公共下水道雨水排水路整備事業費2億704万7000円、特定環境保全公共下水道整備事業費8100万円。

 農業集落排水事業では、西根地区の処理場建設費、管渠布設工事費などで1億5122万8000円。うち処理場建設は今年度から着工で、土木工事に入る。

 水道事業では、配水施設整備事業費に1億7700万円、老朽管更新事業費に新規で2億3846万円を計上した。



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