県大田原土木事務所は大田原市の国道461号黒羽バイパス優先整備区間の道路詳細設計を固め、右岸側国道294号交差点、左岸側は主要地方道那須黒羽茂木線交差点の形状に検討を加える。右岸側で那珂川の河岸段丘の勾配を考慮、左岸側では那珂川取り付け部の高低差を踏まえ盛り土形式。市道交差3カ所はボックスカルバートで立体交差。那珂川橋梁は予備設計で有識者会議を通じ、年度末にも橋種を選定する見通し。黒羽バイパスは事業費30億円以上の大規模案件。2026年度の事業化を予定しており、今秋にもパブリックコメント、県公共事業評価委員会の承認を求める。
優先整備区間は、西側を南金丸地内の現道分岐から1級河川那珂川対岸の主要地方道那須黒羽茂木線まで。概算延長は一般部が1500m、那珂川渡河橋梁が230mの計1730m。
24~25年度にかけて路線測量を日研測量、道路詳細設計は右岸の西側をシー・アイ・エス、東側左岸は富貴沢建設コンサルタンツ、橋梁予備設計を三井共同建設コンサルタントが担当。
バイパスは南金丸地内を起点に南側に分岐。大田原警察署黒羽交番南側で294号と交差点を形成。西側右岸の概算延長は900m。市道1カ所で立体化を計画した。
那珂川上側の段丘面と下側の段丘面との安定勾配を保つため、分岐後は切り土、段丘崖下側の段丘面では盛り土形状。段丘崖に下るバイパス下を市道がアンダーパスするボックスカルバートで計画。
294号との平面交差は、付加車線設置の影響部を考慮。294号を西側に振り法線を是正する。
東進後、1級河川那珂川を渡河。那珂川に左岸から1級河川松葉川が合流する南側を通過。左岸側は黒羽市街地の外縁部を北上し那須黒羽茂木線と交差点を形成する。左岸側一般部の概算延長は600m。
松葉川左岸には旭ヶ丘団地が所在。松葉川左岸に沿った西側と旭ヶ丘団地東側にアクセスする2カ所の市道をバイパスが盛り土形式によるボックスカルバートで立体交差する。
那須黒羽茂木線とは平面交差。盛り土の高さは河川側が高く、県道側に近づくにつれ低くしていく。那須黒羽茂木線から松葉川渡河部の下高橋東側まで670mは後年度、事業着手時期を検討する。
計画幅員は12m。車道3・25m×2車線の両側に路肩兼自転車通行帯1・5m。歩道は北側に2・5m確保する。
461号は第1次緊急輸送道路に指定。産業・経済活動を支え、災害発生時には救援活動や物資輸送に利用される幹線道路。
黒羽市街地の461号は道路幅が6~7m程度と狭く屈曲しており、那珂川を渡河する那珂橋は1933年の架設で、すでに92年が経過。設計荷重は6㌧と荷重不足に加え、老朽化による損傷や大規模災害時の寸断なども懸念されている。
バイパスは道路の走行性向上、交通渋滞の緩和、歩行者・自転車の利便性向上を目的に03年度から検討を進めてきた。