記事

事業者
(一社)建設産業専門団体連合会

【建専連】再生へ「ラストチャンス」/本年度全国大会を開催

2025/11/14 本社配信

 建設産業専門団体連合会(建専連、岩田正吾会長)は13日、都内のニッショーホールで本年度全国大会を開催した。第1部の式典で岩田会長は「これからは人への投資に大きくマインドを変えるべき。技量をしっかり評価して見合った賃金を払い、3Kだけど夢を描ける賃金をもらえる。そういう世界を見せ、稼げる業界を取り戻すべく勇気を持って取り組もう」と参加者に呼びかけ、「これが建設業再生のラストチャンス」と強調した。

 大会タイトルは『職人たちの未来予想図~職人の価値を正当に評価する未来へ~』。岩田会長はあいさつで「職人の賃金を上げられないまま、危険できつい仕事を使命感により今日までつないでいる。他産業も同様であり、給与を上げようと国が先頭で旗を振るほどに国民は貧乏になった」とし、「3Kなのに低賃金。加えて休暇の少ない建設業に若者は見向きもしない。このままでは若手不足を補う外国人にも選ばれなくなる」と危機感を示した。こうした状況を踏まえて「労務費と雇用にかかる経費を競争の原資とせず、実効性を担保して欧米並みの年収を職人に払える業界にしなくてはならない」と話し、最後に「若者が入りたいと思える業界を作り、親方や職人の子どもたちが親父と働きたい、建設業で働きたいと思えるような業界を目指して活動していく」と述べた。

 来賓には国土交通省や建設業関連団体の幹部が集まり、国交省の水嶋智事務次官、厚生労働省の藤川眞行高齢・障害者雇用開発審議官、日本建設業連合会の宮本洋一会長、全国建設業協会の錢高久善副会長(今井雅則会長代理)が祝辞を述べた。

 第2部では参加団体の会員企業経営者による寸劇を披露。高卒求人の現場や職人の雇用維持などの苦悩を題材にストーリーを展開した。

 続いて行われたパネルディスカッションでは、ワークライフバランスの浜田紗織取締役をコーディネーターに、中小企業庁の山下隆一長官、内閣感染症危機管理統括庁の榎本健太郎感染症危機管理統括審議官、山下PMCの丸山優子社長が『外から見た建設業』をテーマとして意見を交わした。

会員団体が参加した全国大会 岩田会長

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら