国土交通省は、有識者で構成する『今後の建設業政策のあり方に関する勉強会』について、11月5日に非公開で行われた第4回会合の議事要旨を明らかにした。テーマは『経営面から見た建設業における人的資源のあり方』。会では、建設業者数や合併、人材の確保・定着などについて議論した。
会の冒頭には、楠田幹人不動産・建設経済局長があいさつで「高齢化や労働人口減少が進んでいる。人材確保だけでなく、教育、配置、就業環境整備について議論を深めることが重要」とした。また「建設業の重層下請構造が人的資源のあり方を困難にしている側面も否定できない」と述べた。
議論では、建設業者の規模・数について「業者数が多いことに必然性はあるが、問題もある。数人の会社では人材教育が行えない」「建設業を始める際の入口を厳しくすることが必要」「零細企業の比率が膨れ上がっていることが問題。最適な構成にすれば生産効率は上がるはず」などの意見が出た。
建設産業の吸収・合併については「ホールディングスの場合、自社の技術に価値があれば声もかかるし他社との連携も可能」「会社の規模を大きくする中で、人材の柔軟な活用が必要」「新技術開発は研究所を有するゼネコンで進む。現場発の工法改良でイノベーションを起こすには、強い下請を作ることが重要」などの意見があった。
建設業従事者の確保・定着については「現場の朝礼時間に間に合わない人材でも良いのではないか」「月給制であることが学生や親には重要」「採用に当たりキャリア形成を示すことは絶対条件」「利益を出せる会社になるため、経営者育成が重要」などの声があった。
このほか「建設業の女性はサポート的な仕事に従事することが多い。うまく活躍させられていない」「現場の始業時間の変更ができないという考え方を変える必要がある」といった意見が出ていた。
同勉強会は建設業の今後の経営戦略について、多様な視点で検討するために設置。『2027建設業政策の原点』を掲げ、建設業のあり方や企業評価などについて議論を進める。会合は26年3月まで計7回を予定、同月にはとりまとめも行う。
















