コラム

2017/04/18

まずは土曜日から(新潟・SS)

まずは土曜日から


▼月末の金曜日の帰宅を早め、小売店での買い物や家族の時間を増やすなど、消費の拡大や働き方の改革を狙うプレミアムフライデー。導入企業も少なくまだ他人事(ひとごと)かもしれないが、労働時間が長いと言われる日本では、定着すれば働き方改革の第一歩になるだろう


▼金曜日どころか、土曜日と祝日も当たり前のように働く建設業界。休日の少なさから担い手確保に悪影響を与えていると言われている。現場では週休2日モデル工事が始まるなど、変革の兆しは見えているものの、土曜日に休みを取れる人は少ない


▼学校での完全土日休みが始まったのが15年前。これから建設業に入る若者は、小学生のときから土日休みは当たり前。土曜日の出勤はそれだけで、敬遠されるだろう。担い手確保のためにも、週休2日の普及は必須だ


▼建設現場では、休みたい監督さんも稼ぎたい職人さんも一緒に働かなくてはならない。週休2日制の導入は「休日の確保」と「収入の確保」という2つの相反する問題を解決しなくてはならず、まるで禅問答のよう。国や自治体のしっかりした制度や体制が確立するまでは、土曜日休工にすることで減少する施工量と日当を、平日の作業時間を延ばし施工量と日当を増やすことでバランスを取るなど各現場ごとで検討が必要となるかもしれない


▼プレミアムフライデーも現場の週休2日試行もまだ始まったばかり。プレミアムフライデー同様、国や自治体による制度面で後押しも必要だが、建設会社や現場も「工期も経費も無いから無理」と最初からあきらめるのではなく、まずは土曜日に休めるよう知恵を出し合ってほしい。(新潟・SS)


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