コラム

2025/12/04

感服し、頭が下がる(新潟・CY)

感服し、頭が下がる

▼ぎこちないニーグリップ、クラッチ、おずおず握る半クラッチ。昔、自動二輪免許を取得しに教習所に通った。そこで見た教官のライディングテクニックが忘れられない。まさに人車一体、バイクに身体が生えているかのようだった

▼新潟では今年も各地で除雪に向けた臨戦態勢が整いつつある。冬期交通の安全確保の要であるが、人手不足が顕著な除雪。新潟市で、経験年数が浅いオペレーターにベテランが技術を伝授する研修会が今年も開かれた。バイクの教官ではないが、体になじんだスピーディーな操作にほれぼれする

▼何度か取材にお邪魔しているが、初めて気が付いたことがある。交差点の除雪が実に丁寧に考えられていることだ。小回りがきかず、何度も切り返しているとばかり思っていたが誤解だった。幅員いっぱいに左側、右側と後退して2回除雪し、一般車が右左折しやすいようコーナーにたまる雪も取り除く。無数にある交差点を思うと気が遠くなる

▼自動運転技術による省力化も、近年実証実験を経て試験導入が進んでいる。高精度測位技術の活用、作業装置の自動制御、ガイダンスシステム―。雪に隠れて見えない障害物の正確なナビゲーションは、視界が悪い中での運転とプラウなどの操作、安全確認を同時に行う際の助けとなり、直面する除雪クライシスの希望の光だ。将来的には自動化がどんどん加速化するのだろう

▼しかし現状、問題は交差点に限らず特に入り組んだ市街地などの平面道路だ。高速道路、幹線道路の立体構造物に比べて難易度が非常に高い。支えているのは、人の力だ。ありがたく、ただただ頭が下がる。(新潟・CY)

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