2026/02/19
いつでも明朗会計(山梨・OS)
いつでも明朗会計
▼細かく収支を計算することなく、大ざっぱに金のやり取りをする「どんぶり勘定」。この「どんぶり」とはご飯を盛る丼と思われがちだが、本当は職人が財布代わりにしていた大きな物入れ。昔は労力や難易度、工期など細かいことは、さておき。ざっくりで仕事を頼み、ざっくりで受ける。いわば、あうんの呼吸で仕事をしていたのが職人の世界なのだろう
▼仕事を頼む側と頼まれる側、常に力関係は明白だ。言葉には出さずとも「仕事がもらえなくなる」と思えば、安かろうが休みがなかろうが関係ない。ウィンウィンとはなんぞや。そうした元請けと下請けの関係性は、昔から多くの業界にあった
▼国は適正価格とは認められない金額での下請けとの契約を、元請けに対し禁止してきた。それを法改正により今年1月から下請けにも適用した
▼芝浦工業大・建築学科の蟹澤宏剛教授は、講演で法改正の理由について「今まで上からやれと押しつけられて断れなかったことが、『法律が守れないから受けられない』という交渉が可能になる」と話していた
▼ただ今後は見積もりをする元請けも大変だ。標準労務費を順守しつつ、利益確保のため現場ごとの歩掛を正確に把握し、根拠のある見積もりを作成する。当然適正賃金支払いの証明や資材価格の変動記録など、根拠となるデータも保管。見積もりの精密化により事務量は大きく増え、そのDX化にも大きな経費が掛かる。発注者には、しわ寄せ防止とともに、より実勢価格での契約が求められる。法改正による下請けの環境改善はもちろんだが、元請けいじめにならないような配慮も必要だろう。(山梨・OS)















