コラム

2026/07/02

ベテランの仕事(東京・YY)

ベテランの仕事

▼先日、戸籍に関わる手続きのために役所へ行き、休日の窓口サービスを利用した。職員の方々には負担もあると思うが、利用する側としては休日に対応してもらえるのはありがたい。無理のない形でこうした取り組みが広がってほしいと願う

▼住民票や印鑑登録証明書などは、マイナンバーカードを使えばコンビニでも取得できるようになっている。自治体ごとに対応する証明書や利用時間は異なるが、とても便利なサービスだ。以前より役所へ足を運ぶ機会が減り、DXの恩恵を身近に感じる

▼一方で、転入・転出や戸籍に関する届け出などは今も窓口での手続きが必要。防犯も含め、それだけ重要な事務なのだろう。戸籍謄本には出生や婚姻、転籍など人生の節目が記されている。家族が増えたり減ったりした足跡も残されている。数枚の証明書でありながら、家族の歴史をたどるような気持ちになり感慨を覚えた

▼こうした戸籍事務には高度な知識と経験が求められるという。どう進めればよいのか分からないこちらの相談にも、担当職員は一つ一つ丁寧に耳を傾け、必要な手続きを整理しながら説明してくれた。その応対からは、利用者の不安を少しでも和らげようという姿勢が伝わってきた

▼近年は生成AIを活用して、戸籍事務の効率化を図る技術開発も進んでいるそうだ。行政サービスのDXは今後さらに進むのだろう。それでも、相手の事情や心情をくみ取りながら応対するベテラン職員の仕事を、AIが完全に代替することはできないのではないか。筆でしたためられた古い戸籍の記録を眺めながら、人にしかできない仕事へ思いを巡らせた。(東京・YY)

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