コラム

2026/03/31

風が運ぶエネルギー(新潟・GS)

風が運ぶエネルギー

▼とりとめのないことを考えたり、考えなかったりしながら、海を眺める時間を楽しんでみる。心は落ち着くが、この時期は吹き付ける風が頬を刺す。夏には飛び交っていた虫たちもどこへやら。海岸線に立ち並ぶ風力発電機だけはご機嫌な様子

▼気象やエネルギーに関する知識などないに等しいが、素人目線でも吹きすさぶこの風を余さずエネルギーに変えられたなら、有効な電力源になるだろうという想像はしてみる。しかも遮るものがなく、安定して風に恵まれる洋上で。それが実現したのが洋上風力発電事業だ

▼洋上風力発電は、海上に風車を設置することで安定した風による高い発電効率を実現した。国内では秋田県北部の秋田港・能代港内などで商業運転を行っている。コストや技術面などでまだまだ課題はあるものの、カーボンニュートラル達成を目指す上では重要な発電方式とされており、国は洋上風力発電に関わる促進区域、有望区域、準備区域などを定め、導入拡大を加速させている。新潟県胎内市・村上市沖も、促進区域の一つに数えられる

▼事業を取材していると、その影響力は電力面にとどまらないことに気付かされる。収入を得る両市からは、新たな財源を生かした事業拡充を目指す声が聞かれた。また、陸上部分の工事では、県内・市内事業者を積極的に採用するため、この段階でも地域経済へ好影響をもたらしていると言えるだろう

▼先行する欧州では、遠浅の北海を中心に補助金ゼロの事例が生じるなど、コスト低減も進展している。10年後、眺める景色により多くの発電機が立ち並ぶ様子を想像してみる。(新潟・GS)

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