コラム

2026/02/05

2030年問題の入り口(群馬・MT)

2030年問題の入り口

▼今年に入り、「2030年問題」という言葉が現実味を帯びてきた。人口構造の変化、深刻な人手不足、技能継承の断絶。建設業に限らず、あらゆる産業が同時に試される節目の年だといわれている。解決策として語られているのは、たいていデジタル化だ

▼人が減る時代だからこそ、一人一人の力が問われる。しかしその力は、デジタルに長けた資格や操作スキルだけでは測れない。仕事に意味を見いだせているか。自分がこの職場の一員だと感じられているか。モチベーションやエンゲージメントといった観点が重要になってくるだろう

▼30年問題が語られるとき、私たちは人手不足やデジタル化といった人間側の危機に目を向けがちだ。しかし、もう一つ静かに進行している問題がある。自然との関係だ

▼国際的な動きを受けて23年に閣議決定した生物多様性国家戦略2023―2030では、生物多様性の損失を食い止めるだけでなく、30年までに減少を反転させ増加へ転じさせるという、いわゆるネイチャーポジティブの実現を目標に掲げている。守る対象だった自然は、未来を支える資本として、取引の対象となるという転換期を迎えようとしている

▼30年というニューワールドは、デジタルか自然かという2択の世界ではない。職場環境を整え、人のモチベーションやつながり、貢献意欲を高めること。地域の自然環境を資本として捉え、未来へ引き継ぐことだ。この二つは、実は同じ方向を向いている。人と自然、そのどちらかが主役になるのではない。30年に向かう私たちは、人と自然が同時に息をしやすくなる世界なのだと思う。(群馬・MT)

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