2026/06/10
感じる1票の重み(茨城・NM)
感じる1票の重み
▼近頃、首長選挙が接戦となり、地元が揺れる事態が相次いで起きている。昨年11月の茨城県神栖市長選挙はまさかの「得票同数」となり、くじ引きの結果新人が当選。市選管による再点検でも結果は変わらなかったが、その後県選管が当選を無効とする異例の裁決を行った
▼今年3月には栃木県那須町長選挙で1票差により現職が勝利。同様に町選管で再点検を行った結果、当落は変わらず票差が広がったものの、異議申し立てにより県選管に判断が委ねられる事態となっている
▼過去にさかのぼって調べてみると、2010年青森県大鰐町長選挙やいくつかの地方議会議員選挙でくじ引きが行われた例がある。部外者でも驚いたのだから、住民の困惑は察するに余りある。結果が僅差である場合、判断が難しい「疑問票」の解釈が勝敗を左右してしまう。もっと明快な投票方法はないものか
▼世界の国政選挙ではあらかじめ印刷された用紙に印をつける「記号式投票」がスタンダードだというが、国内では投票者が氏名等を書き込む「自書式投票」がほとんどで、記号式を採用している自治体は少数とのこと。つくば市では施策に関するインターネット投票事業を通じて実証に取り組んでいるが、公職選挙においてはいまだ実施に至っていない。セキュリティー面やトラブル対策、公平性の担保など、課題は多いようだ
▼冒頭で触れた神栖市長選挙の投票率は44・22%、那須町長選挙は51・78%で、いずれも前回を下回った。忙しくても面倒でも、1票の重みを無駄にはできない。「自分の1票でまちの未来が変わったかもしれない」と後悔しないために。(茨城・NM)















