2026/10/22
技術者争奪の時代(山梨・SS)
技術者争奪の時代
▼建設業界では「若者が来ない」「技術者が足りない」が、日々のあいさつになっている。最近、県や市町村も同じ悩みを抱える。土木や建築の技術職を募集しても、応募が定員に届かない。中には「募集1人、応募1人」という、競争試験か顔合わせか分からない例もある
▼考えれば当然だ。道路や橋を造る建設会社も、工事を発注・監督する自治体も、欲しい人材は「技術の分かる人」。建設業界は今、発注者と受注者で技術者を取り合う、ややこしい時代に入った。できるだけ優秀な人材を採用するため、どちらも譲り合う余裕はない
▼ライバルは自治体だけではない。建設コンサルタント、設備会社、製造業なども技術者を欲しがっている。学生の就職先は昔より多い。「建設業だから来てくれる」はもう通用しない。休日、給与、職場環境、キャリアなど、採用面接は企業側が選ばれる場でもある
▼だから建設業界は、「人がいない」と嘆く前に「人が来たくなる業界になっているか」を考えたい。ICT施工や省力化は重要だが、それだけでは人材問題は解けない。最新の機械を導入しても、使いこなし、現場を判断する人がいなければ、高価な置物になる
▼自治体も建設業も、技術者不足という同じ土俵に立った。ならば建設業界は、自治体と人材を奪い合うのではなく「技術者が選びたくなる仕事」で勝負したい。待遇を良くする。休めるようにする。技術を身に付ける場をつくる。何より、道路や橋、まちを自分たちがつくる誇りを伝える。「人が来ない」のではなく「来たいと思われる業界になれているか」。いま問われるのはそこではないか。(山梨・SS)















