コラム

2026/10/09

世代間で泳ぎ継ぎ(新潟・SH)

世代間で泳ぎ継ぎ

▼健康のため、週2回のプール通いを心掛けている。最寄りの市営プールは、夜間帯に利用者がまばらとなり、14あるコースを気兼ねなく使える。ゆったりとしたクロールを練習していて、目標の距離を泳ぎ切った後には全身運動の爽快さを感じる

▼施設は海岸近くに立地している。近隣の浜では明治時代に新潟県内初となる水泳場が開かれた。「神伝流自然派」という泳法を村山正臣氏が教え、その功績をたたえる碑がプール敷地内の一角に建っている。氏は近隣の小学生たちの指導に当たっていた

▼小中学校の水泳授業は今、教員不足のほか施設の老朽化や改修予算不足によっても実施が難しくなっている。ろ過設備の更新や塗装、プールサイドの改修など、必要な整備は多岐にわたる。学校が持つ屋外プールは全国に2万3411カ所(2024年度)あり、1校あたりの保有数は小中学校ともに1を切ったまま、減少が続いている

▼水泳授業の代替案は自治体の財政力によって分かれる。▽屋内の拠点校への集約・建て替え▽校外の既存プール(民間・公共)との連携▽実技を縮小した座学への切り替え―の三つで、建て替え手法をとる場合は数億円規模で費用がかかる。屋外プールは夏季しか使われないため、集約先には通年使える屋内が選ばれやすい

▼夏の盛りに学校の屋外プールで泳いだ体験を、今の子どもたちと共有しづらいことは少し寂しいが、施設老朽化への対応も待ったなしとなっている。時間割調整や移動手段が整い、自分が通っているような市営プールなど、学校外の既存プールとの連携に活路を見い出せればと思う。(新潟・SH)

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