2025/12/05
効率を求めること(埼玉・HK)
効率を求めること
▼先日、DXの取り組みを取材する機会があった。テーマは今まで人が行っていた除草作業を、除草機が自動で刈り取るというもの。多くの見学者が参加した。目の前で行われたデモンストレーションに対して、参加者はどのような感想を抱いたことだろうか
▼デモ機は、人が乗って操作していた除草機がベースとなっている。その本体には、通信機器やカメラなどがまとめられたシステムユニットが取り付けてあった。操作の仕組みはシンプルだ。自動除草機を除草現場のスタート地点に配置。そして除草範囲の4隅を設定する。傾斜があればその角度など、必要な値を入力すれば、走行ルートを自動で計算するという
▼昨今の建設業界は、従業者の高齢化や担い手不足、工事の不調・不落率の観点からも厳しい状況に立たされている。そのような中でこのメリットは作業の効率化と、作業員の削減だ。熱中症対策や不慮の事故も防ぐことができる。現場の救世主として、今後の活躍に大きな期待がかかっている
▼一方で、多くの手作業が自動化されることで新たな課題も考えられる。効率化によって生み出された時間に追加のタスクがあてがわれたり、さらなる効率化の検討に追われたり、また求職の際により高度な、あるいは全く別分野のスキルを求められることになるかもしれない。このように労働者が厳しい競争にさらされ、新たな担い手が不安にさせられる状況は避けたい
▼将来にわたり、人口減少が見込まれる中、ミニマム化と効率化は避けられないだろう。だからこそ視野を広げて、多くの人の豊かさに結びつくことを期待する。(埼玉・HK)















