コラム

2026/06/05

空き家問題を考える(群馬・NT)

空き家問題を考える

▼近ごろ「特定空き家」という言葉を耳にする機会が増えた。倒壊の恐れや衛生上の著しい悪化など、放置すれば周囲に実害を及ぼすと自治体が判断した建物を指す。取材をしていると、どこの自治体も空き家に頭を抱えているようだ

▼総務省の住宅・土地統計調査によると、2023年10月1日における全国の空き家数は約900万戸に達し、18年の前回調査から約51万戸の増加となり、空き家率は13・8%と過去最高を更新した。一戸建てに限れば、今後20年でその数は今の2・6倍に膨らむという

▼特定空き家は、生活環境に著しい悪影響を及ぼしている状態の空き家に対して行政が指定するもの。指定されると控除が受けられずに固定資産税が増額になるほか、改善されない場合には自治体が建物を解体する行政代執行が行われ、解体費用が所有者に請求される

▼日本では新築・持ち家需要が強く、総住宅数が総世帯数を上回る状況が続いている。また、少子高齢化や核家族化などが進み、これらの社会情勢が空き家増加の要因とも言われる。先月の大型連休期間で離れた実家へ帰省し、高齢となった両親が2人で暮らす家を眺めてふと考えてしまった。この家を将来どう引き継ぐべきか。家財の片付け一つとっても、安くなりそうもない解体費を見ても、現実は決して甘くない

▼空き家問題は、もはや統計の中の数字ではなく、私たちの足元にある切実な課題である。いずれ何とかすればいいや、などと先送りにしてきたツケは、いつか必ず自分に返ってくる。先のことを見据えて計画的に行動する必要性を改めて考えさせられた。(群馬・NT)

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