コラム

2026/01/09

地域で育まれる宝(埼玉・JK)

地域で育まれる宝

▼映画「国宝」が、邦画の実写作品としては記録的な興行収入をたたき出し、話題を呼んでいる。全国紙で連載された同名小説が原作であり、業界人として実に誇らしい。歌舞伎界の伝統や女形の衣装の美しさに加え、2人のイケメン俳優によるメロドラマ的な側面も人気を後押ししたに違いない

▼誤解を恐れず言えば、大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の活躍も「国宝級」だろう。投打の二刀流が、米国を中心として世界中を熱狂させる。これほど、世界を沸かせた日本人がかつていただろうか。記憶をたどっても思い当たらない。同時代に生きた日本人として誇らしい

▼若い頃、毎夏の宿題のように、全国で高校野球の取材に汗を流した。真っ黒に焼けた寡黙な球児たちから、言葉を引き出そうと取材術を磨いた。そんななかに、若き才能が紛れていたのだと想像すると、感慨深い

▼子供たちも利用できる球場が、全国隅々に整備されている。高度な知識を持つ指導者らが地域に根を張り、野球文化の継承と次世代の育成に励んでいる。大谷選手も、東北・岩手県の地方都市出身。津々浦々に浸透した文化が、大谷選手を生み出したのだと指摘しても過言ではない。どんなに才能が詰まった種でも、腐った土壌ではぐんぐんと芽を伸ばしはしない

▼遠く海を隔てた異国の球場で輝く、会えない国宝を慕いつつ、ふと、身近な埼玉県内で唯一の国宝建造物「妻沼聖天山・本殿」(熊谷市)を訪れた。庶民の寄付で建立され、地元にとっては誇りに違いない。埼玉日光とも呼ばれるゆえんの豪華絢爛(けんらん)な装飾に目を奪われ納得した。やはり本物はすばらしい。(埼玉・JK)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら