2026/10/08
米粒に宿る発想(群馬・KO)
米粒に宿る発想
▼先日、居酒屋で山口県美祢市に蔵を構える大嶺酒造の日本酒を口にした。すっきりとした味わいに満足しながらラベルを眺めると、黒い粒のようなものが並ぶだけで、銘柄などを示す文字が見当たらない
▼調べてみると、その粒は米粒を表していた。一粒から三粒までが存在し、米粒の数で精米歩合を表現しているほか、色の違いでは、使用する酒米の違いを表現しているという。文字ではなく記号で品質を伝える発想は、一般的な和紙などに文字を組み合わせたラベルとは大きく異なり、日本酒の常識を覆すデザインだと感じた
▼さらに驚いたのは、そのラベルはストックホルムを拠点とするデザインスタジオが手掛けていることだ。日本の伝統文化である日本酒に、あえて海外の感性を取り入れる視野の広さがあるからこそ、国内外の人が何だろうと足を止める。漢字が読めなくても理解ができるため、海外市場でも言語の壁を越えやすいメリットもありそうだ
▼この革新性は、酒そのもの以上にブランド価値を高めているのではないだろうか。店頭に並ぶ無数の日本酒の中でも目に留まりやすいほか、洗練された印象から若い世代やデザインに関心のある人にも手に取ってもらいやすく、革新的な酒蔵というイメージそのものが商品価値になる
▼常識の延長線上では、人は驚かない。他分野の文化やデザインに目を向け、それを自分たちの仕事へ落とし込む柔軟さこそが、新しい価値を生み、ブランドを一段上へ押し上げる力なのだと実感した。建設業においても、異業種の発想を取り入れることで、仕事の見せ方や企業の魅力を高められるはずだ。(群馬・KO)















