コラム

2026/05/27

聞き手と語り手の関係(埼玉・TK)

聞き手と語り手の関係

▼3月に好きなミュージシャンの新作が発売された。印象的だったのは販促方法で、テレビや音楽雑誌、Webラジオ、ファンクラブの会報など、さまざまな媒体で積極的にインタビューを受けていた。内容はどれも同じ作品に関することだが、媒体によって語る中身も異なる。知られざる一面を垣間見た瞬間も多く、ファンとして垂ぜんものだった

▼媒体ごとに聞き手も違う人が担当する。付き合いが長い大御所インタビュアー、関係性が深いスタッフの一員、この機会に新しく顔を合わせたであろうタレントもいた。それぞれが自分のやり方で、自分にしか聞き出せない話を入手していた印象だ

▼大枠の質問内容はどの媒体も似たようなものだったが、深い考えを持ったプロフェッショナルな姿が見えた媒体もあれば、自分たちとそう変わらない親しみある人物に見えた媒体もある。不思議なもので、聞き手の存在一つで、ミュージシャン側の雰囲気も大きく変わって見えた印象だった

▼新年度に伴って人事異動が行われ、近ごろ就任インタビューを行う機会が多い。そうした自分の事情もあり、本来はミュージシャン側の話に注目するのが筋だが、今回に限ってはインタビュアーの存在も意識して耳を傾けてみた

▼インタビュアーはいわば読者の鏡だ。語り手がどういう人間に見えるかは、聞き手がその人をどう見たかに委ねられる。質問が同じでも、どんな答えを引き出せるかに聞き手の手腕が発揮される。これからいろいろな人の話を聞きにいくが、自分としては、同じ業界に携わる人間としてできる限り親しみある姿を引き出せればと思っている。(埼玉・TK)

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