2026/10/31
数字で見れば1は1(新潟・CY)
数字で見れば1は1
▼要修繕の橋の面積が大きい市区町村ランキング。日経コンストラクション8月号に「全国1位は新潟市」の見出しが躍った。対策の遅れを指摘されたようで、反論したい気持ちで読み進めると、背景にある条件もしっかり描かれていた
▼日々の取材の中で「この道に橋なんてあったかな」と首をかしげることがある。多くは、田園地帯に張り巡らされた農業用水路に架かる数mの小さな橋だ。新潟市は、年間総流量日本一の信濃川と第2位の阿賀野川の河口部に当たる。橋長で見ると、市管理の約4000橋のうち約2700橋が15m以下の小規模橋。100~1000mの長大橋は約90橋を抱える。沿岸部では塩害、冬期は凍結防止剤にさらされる
▼限られた予算とマンパワーで新たな管理体制を構築しようと、市は10年以上前に有識者による検討委員会を立ち上げた。交通量や緊急輸送道路など、道路ネットワークの条件から四つの管理区分で修繕の優先順位を設ける。損傷が進んでいれば法定点検に限らず短いスパンで点検する
▼小規模橋梁でⅢ判定の損傷区分は「剥離・鉄筋露出」が54%と最も多い。ここに着目し、タブレット点検とさび止めなど簡易補修のセット運用で効果を発揮する。塩害対策では、再塗装に加えて主構造部材をアルミ合金製の足場で囲い、点検にも利用する
▼修繕の着手率向上へ、市は2024・25年度に集中的に小規模橋梁の修繕を実施してきた。着手率は達成したが、要修繕面積はトップ。数字上の1橋と、現地のもろもろを一手に担う重要な1橋。ランキングがあぶり出すものを、最前線で黙々と背負う人たちがいる。(新潟・CY)















