2025/11/14
いつか大輪の花を(茨城・NM)
いつか大輪の花を
▼観葉植物を枯らした。夏場の猛暑で干からびてしまったらかわいそうだと、毎日せっせと水をやったのが悪かったようだ。根が腐って枯れてしまった。以前、チューリップの水耕栽培に挑戦した際も、三つもらった球根のうち一つしか咲かせられなかった。きれいに手入れされた近所の庭との落差に、少々落ち込む
▼園芸上手な人を英語で「グリーンサム」と呼ぶ。由来には諸説あるが「植木鉢を頻繁に触る人の親指が、植木鉢に付着しているコケで緑色に染まっていることから来た」という説もあるそうだ。習うより慣れよではないが、常日頃から植物に触れることが、園芸名人への第一歩かもしれない
▼植物が好きな人と話をすると、観察眼の鋭さと豊富な知識に驚かされる。「暑いから水」という大ざっぱな判断では、その植物の特性や状態に適した管理ができていたとは言い難い。植物がのびのび育つためには、細やかな気配りが必要であると痛感した
▼植物を育てることと、人材を育成することには共通点が多くあるように思う。生育に適した環境を整え、小さな変化も見逃さない。水のあげすぎは過干渉そのものだ。後輩への接し方にも同じ悪癖が出てはいないかと自省する。だが、実際に花が咲くのは植物自体が持つ力によるものだ。人間も同じだろう。大輪の花が開くかどうかは、結局その人次第だ
▼去年一度の失敗でめげずに、今冬も水耕栽培に挑戦したいと思う。華やかな大輪も良いが、小ぶりな花のかれんさも捨てがたい。次の休日にはホームセンターまで足を伸ばし、球根を探してみようか。春にはきれいな花が咲くことを願って。(茨城・NM)















