コラム

2026/08/21

変わりゆく暮らし(東京・YY)

変わりゆく暮らし

▼スーパーの鮮魚売り場で暖かい海に生息するタカサゴという魚が並んでいたので、思わず購入した。タカサゴは沖縄では「グルクン」と呼ばれ、県魚として親しまれている。淡泊な白身は唐揚げがおいしく、学校給食でも人気メニューのようだ

▼関東ではなじみの薄い魚だが、近年は沿岸域で水揚げされるようになったという。海水温の上昇が背景にあるとされ、南の海で暮らしていた魚が北上してきているそうだ。東日本では知名度が低く、スーパーでも売れ行きはいまひとつだったが、貴重な海の恵み。しかもおいしいので、新しい食材として受け入れられるよう願うばかりだ

▼温度の上昇は海水だけでなく地上でも深刻だ。今年も気温の上昇により各地で猛暑日が続く。熱中症リスクが高まる中、屋外で働く建設業にはファン付きウエアや送風機の活用、小まめに休憩・水分・塩分を取るなど、命を守るための暑さ対策が不可欠だ

▼このような状況を踏まえ、社会も少しずつ暑さへの適応を始めている。東京都は軽装推進の一環として職員の『ハーフパンツ勤務』を容認。紳士服チェーンもビジネス向け短パンを発売するなど、従来の常識にとらわれない夏の装いが広がり始めている。猛暑を新しい日常として受け止める動きと言えそうだ

▼地球温暖化を食い止める努力は必要だが、変化に適応する知恵も重要になっている。見慣れない南の魚が食卓に並んだり、夏の服装が変わっていくなど、気候変動は暮らしや働き方など日常生活を少しずつ変えている。その変化を前向きに受け止めながら、新しい時代の暮らし方を考えていきたい。(東京・YY)

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