2025/06/13
新陳代謝で新たな風が(群馬・SW)

新陳代謝で新たな風が
▼新年度に入り、3カ月近く経過した。入社、入学、異動などで新しい環境を迎えた人も少なくないだろう。3カ月という期間で少しずつ慣れてきていることと思う。どのような組織にも新陳代謝は必要で、新たな風が入ることで雰囲気も変わる。新日本プロレス・後藤洋央紀選手の活躍がそんなことを考えさせた
▼後藤選手は2002年4月入団。08年には夏の大会「G1 CLIMAX」で初出場・初優勝の快挙を達成するなど、飛躍が期待されていた。しかし、「100年に1人の逸材」棚橋弘至選手や、「レインメーカー」オカダ・カズチカ選手などの台頭もあり、主役になることはあまりなかった
▼潮目が変わったのは、24年春。オカダ選手が退団し、世代交代として新戦力の台頭が期待されていた。一方で長年のファンは、ベテランの域に達していた後藤選手に託していた。あいにく、勝負の一戦には敗れたが、25年冬に再びチャンスが到来。当時の最強チャンピオンを破り、団体最高峰のIWGP世界ヘビー級王座を初戴冠した
▼後藤選手は一部で根強い人気があったものの、全体に波及するほどではなかった。オカダ選手が退団し、枠が空いたことで、あらためて後藤選手に注目が集まり、人気が高まったといっても過言ではない
▼一般社会にも似たようなことがいえる。「自分がいなくなって、業務が回らなくなるのでは」などと考えていてもそんなことはなく、かえって活性化されることも。誰かがいなくなれば代わりに誰かがそれまでの役割を担う、組織とはそういうものだ。後藤選手のチャンピオンロードの行く末を見守りたい。(群馬・SW)