コラム

2025/02/07

真のまちづくりとは(山梨・HI)

真のまちづくりとは

▼新型コロナなどを背景にライフスタイルの多様化が加速する昨今。リニア中央新幹線の開業で人々の地域間移動はいっそう広域化することが予想される中で、各地では未来のまちなか像を研究する活動が活発化している

▼山梨県内のある自治体では民間事業者と一緒に、今ある豊かな資源や特性を生かしたまちなかの理想像について、月に一度会合を開き研究を進めている。会議の様子を取材すると、出席者からはさまざまな意見が飛び交い、空間全体が熱気に包まれていた。より良いまちを目指して。まちづくりの真の姿がそこに見られた

▼研究の過程には、社会実験も実施されている。芝生広場や商店街にベンチや机、あずまやを設け、公園内にダンスやスケートボードの練習場所などを設置し、利用者数を集計すると、実験前と比べて1・5倍から4倍近く増加した。人々が求める機能のヒントがそこに表れていた

▼普段の生活の中で何気なく周辺を見渡してみる。ごみが落ちていない快適で広々とした公共空間が広がっている。狭あい道路や段差などのハード面の課題に対しては行政側が予算確保に尽力し、継続的に対応している。今回の社会実験を通して感じたことは、大きな費用を投じずとも、工夫次第でまちなかの再生、活性化は実現できるということだった

▼まちづくりにおける各種事業の川上では、地域を思う人々による数え切れないほどの話し合いが行われている。この先、われわれが生活するまちがどのように変化していくのか。新聞記者として、川上から終わりまで取材を重ね、情報発信により未来のまちづくりに参画したい。(山梨・HI)

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