コラム

2026/07/28

スケールの振れ幅 (新潟・SH)

スケールの振れ幅

▼以前勤めていた企業で基幹データがランサムウエア攻撃を受けたことがある。セキュリティー業者と連携して対応にあたっていた当時は俯瞰(ふかん)できなかったが、振り返れば原因や結果に説明がつく出来事だったと思う。というのも、認知の枠組みを超えてくるほどの物事のスケール感がある

▼宇宙からの脅威を描くSFドラマ『三体』でのワンシーンでは、地球に侵入しつつある異星からの威嚇として夜空の星が一斉に点滅し「全天規模で支配されている」という場面が描かれていた。悪意ある他者からの攻撃という点ではランサムウエアと同じだが、このスケールの描写に目まいがするような感覚を覚えた

▼巨大建造物に対しても同様の印象を受けることがある。ダムを訪れるとその迫力に圧倒され、一時その役割すら見失いそうになる。情報量が過多になると、木を見て森を見ない状況が生まれるのだろうと思う

▼先日取材した農地保全事業では、湖周辺の地すべり防止のために水抜きボーリングや排水トンネルの設置が進められていた。説明資料でこそ理解できたが、その実現のプロセス・安全管理も含め途方もない作業だと感じた

▼思えば、幼年期に無心で取り組んだ積み木やブロック遊び、海で砂の城を波から守ろうと工夫を凝らす体験には、土木建築をスケールダウンしたような共通のエッセンスがある。今ではマインクラフトのようなゲームにも、築き上げることの面白さが広がっている。こうした土木建築そのものの純粋な魅力が、インフラ維持という社会貢献の意義とともにやりがいとして伝わり、担い手確保につながればと祈念している。(新潟・SH)

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