インタビュー

2025/02/28

県議会 西野議長、戸井田副議長就任インタビュー/県土発展へ地域と対話を

昨年12月の県議会で就任した第117代議長の西野一氏と第118代副議長の戸井田和之氏にインタビューし、就任の抱負や県政課題への対応などについて聞いた。西野議長は「県民一人一人の声を真摯に受け止めたい」とし、戸井田副議長は「議長を補佐しながら、課題への対応を迅速かつ的確に進めていく」と抱負を語る。また、さまざまな県政課題への対応を掲げる中、特に県内の南北格差や広域ネットワーク形成、公共事業予算などについて話を伺った。




■就任の抱負を聞かせてください


西野議長 コロナ禍を乗り越え社会が大きく変わっていく中で、積極的な政策立案によって議員の資質を高め、時代のニーズに即した考え方で進めていくことを目指しています。二元代表制の一翼を担う存在として執行部と互いに切磋琢磨し、その中で監視機能も果たし続けたいと思っています。地域のよりよい代弁者を信条とし「競争から連携、そして共創へ」をキーワードに県土の均衡ある発展に向け、県民一人一人の声を真摯に受け止めたいと考えています。


戸井田副議長 就任以降、さまざまな場面で重責を感じております。人口減少や県民を守る生活基盤、自然災害などの重要課題に議長を補佐しながら、迅速かつ的確な対応を進めていきます。



■南北の地域格差が課題とされていますが


西野議長 県南地域では、TX沿線が大きく変わりました。交通体系が首都圏と近く、沿線自治体の人口も増加しました。一方で県北地域は、そこから遠く、山も多いためインフラ整備が難しい現状があります。南北格差の解消につながるような道路機能の強化が必要です。国道349号と国道6号が命綱であり、これらの路線整備を国土強靱化に沿って進めることで、県北地域の低下を緩やかにできると考えています。


戸井田副議長 県南地域は「筑波研究学園都市」を中心に発展し、TXも一つの起爆剤です。しかし、県南でも地域間の格差があります。県内外を結び付ける広域交通ネットワークや、県内の各地域間をつなぐ道路網を充実させることで、交流人口の拡大を促していくことが重要です。



■格差解消に必要とされる道路整備とは


西野議長 道路整備には、定住人口の増加や経済効果、災害時の安全安心などの効果を位置づけるという方向性を示しながら、地域との理解を深める対話を重視し、迅速な対応が求められています。また、茨城県の道路実延長は北海道に次ぐ第2位であり補修整備も必要です。地元との議論を通じて必要な事業を明確にし、進めていきます。


戸井田副議長 さまざまな要望があり、それを実現するためには、地元の意見を聞いて、議会と執行部が課題等を解決しなければなりません。



■建設業界については


西野議長 地震や台風、河川の氾濫などに即座に対応できることが喫緊の課題です。建設業の時間外労働を削減し、休日が取れる環境を整えることが重要です。実現するために、県の発注価格を適正なものにする必要があります。また今後、東関道水戸線の全線開通が2026年度内に見込まれており、大きな変革が期待されます。広域ネットワークの充実により、地域産業の活性化を促していきたいです。


戸井田副議長 地元建設業協会からは「仕事をください」という切実な要望がありました。県の土木費は、最も潤沢だった時代の半分です。また土地改良費は半分を下回っています。必要とする道路や河川、学校などに対する適切な予算措置が求められています。


■今後の公共事業費については


西野議長 現在は県北地域で久慈川や那珂川の緊急対策事業が進められていますが、これが終わった後が課題となります。農林水産業費も、食の安全を守るためには、ほ場整備が必要で、土木費と土地改良費をしっかりと確保し、人が足りない部分を機械で補うなどの解決策なども考えていかなければいけません。


戸井田副議長 すべてを県単独の一般財源では賄えないため、国の補正予算や有利な財源を獲得し、しっかり国にも強く訴えかけていきたいです。特に公共事業予算については、何とかしたいと思い、一生懸命頑張ってまいります。



【略歴】


西野一(にしの・はじめ)1953年7月4日生まれの71歳。選挙区は常陸太田市と大子町。いばらき自民党。当選5回。趣味は弓道(小笠原流礼法)。座右の銘は「凡事徹底」「一燈照隅」「有意注意」。



戸井田和之(といた・かずゆき)1964年10月26日生まれの60歳。選挙区は石岡市。いばらき自民党。当選5回。趣味は野球観戦、音楽鑑賞。ヒップホップや演歌など幅広く聴く。座右の銘は「和」。松下幸之助の本を愛読。

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