コラム

2018/03/20

建設業で働いて(山梨・TH)

建設業で働いて


▼地元山梨で働きたい。就職期を迎える学生が話していた。近隣県の中でも企業数が少ないと嘆く学生も。その中の一人は、チャンスが多いという理由から東京で就職活動するらしい。ここ数年山梨県の人口は下降し、企業誘致も難航している。東京で働く方が選択肢も多く、魅力的に映るのもうなずける


▼1月に建設業団体の新年会で多くの社長と談笑した。仕事は忙しいですかと聞いたところ「もうかっているかは別だが、年度末までは猫の手も借りたいほど忙しい。どこの会社も同じだと思う」と口をそろえる。社員を増やす考えはないかたずねた。「採用したいが、新年度も仕事があるかは誰も分からない。公共事業も減少しているので難しい」と話す。少し様子を見守りたいなど慎重な姿勢が目立った


▼建設業以外の社長は「建設業をどう思っているのか」を取材した。共通しているのは「建設業は地場産業であること。建設業に活力と元気がなければ日本の未来はない」と言い切る。公共工事は政治の力も大きい。政権次第で良くも悪くもなってしまうのが、建設業の不安要素だろうとも。民間工事とのバランスが重要だ


▼地元で働きたいと話す学生に「建設業で働くという選択肢はないのか」を聞きたくなった。「現在も募集している業種も業者もいますよ」と教えてあげたい


▼建設業界では、学生に魅力を体験してもらう試み(インターンシップなど)を始めている。現場体験をしてもらうことで業界側も「人材確保のためのヒント」が必ず学べるはず。今の学生の考え方を理解できる企業こそが、長く生き残れる企業だと気付くだろう。(山梨・TH)


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