コラム

2020/08/06

困難こそ発展の好機(茨城・KS)

困難こそ発展の好機


▼経営の神、松下幸之助は不景気の最中に言った。「松 下電器は困難に直面したとき、必ず何ものかを生み出してきている。この考えに立てば、かつてない難局は、同時にかつてない発展の基礎になる。ことしはこれを基本的な考え方にしてほしい」。コロナ禍の現在に響くものがある


▼新しい感染症はあらゆる問題を露呈させた。まずは偏重した経済のグローバル化。安い労働力を求め、あらゆる工場が海外に進出したが、今後はリスク管理から供給体制を見直し、国内回帰する傾向が強まりそうだ


▼観光では、かつての〝爆買〟のようなインバウンド需要はもう当てにならない。星野リゾートの星野佳路代表は「インバウンドではなく、国内旅行を戻すのが大事」とし、「マイクロツーリズム」(小さな旅行)を提唱する。「地方の魅力をその地域の方に再発見してもらういい機会。自分たちが住んでいる地域の周りには、面白くていい食材があることに気付き、プライドを持ってもらう。コロナが終わった後の日本の観光力を高める上で重要」


▼テレワークなどの働き方改革も、大手が中心であるものの、コロナ禍によって普及している。そして感染者が圧倒的に多い東京は、あらためて一極集中の解消が必要であることを認識させた。憲法改正もある。緊急事態でも営業を続ける店が連日のように取り沙汰された。憲法に国家緊急権が規定されていないことによる、強制力のない緊急事態宣言では限界ということだろう


▼コロナは、いやが応でも現代の問題をあらわにし、その改善に向けて一歩を踏み出させてくれたのだと前向きに捉えたい。(茨城・KS)


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