コラム

2021/06/09

一見を伝えられるように(群馬・KS)

一見を伝えられるように


▼橋梁架設工事の取材で、上部工の形式を聞くと、PC橋梁だと教えてくれた。PCはプレストレストコンクリートの略で、PC鋼材を引っ張り、緊張させたままの状態でコンクリートを流し込み製作することは知っていた


▼しかし、知っているのはそこまで。具体的な手順は知らなかった。恥ずかしいという気持ちを抑えて聞くと、現在PC橋梁を施工している現場があると言う。そこで、急きょ現場を見学させてもらうことになり、施工の妨げにならないよう気を付けつつお邪魔させてもらった


▼現場に到着すると、現場事務所の方が出迎えてくれた。発注者側から新聞記者が行くので対応してもらいたいとの連絡があったのだという。施工現場へ移動し、PC橋梁の施工方法について説明してもらった。PC鋼線を緊張する作業は午前中に完了してしまったため見ることはできなかったが、現場事務所に置かれていた緊張定着具を見ながら緊張作業について教えてくれたため、非常に分かりやすかった


▼より合わせたPC鋼線を緊張定着具にセットし、コンクリート製の桁に空けられた穴にPC鋼線を挿入。PC鋼線を定着具の油圧により緊張させ、セメントミルクを流し込んで固める。文字にすればごく短い手順で完了する


▼橋梁の架設工事の取材では、下部工や上部工の形式や工法などについて聞くが、あくまで知っているだけ。手順や苦労、工夫すべき点などを知ることはできない。自らの目で見て、説明を受けたことで初めてその一端を理解できたように思う。これからは、こうした一見を伝えられる記事を書けるよう努めていきたい。(群馬・KS)



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