(社)プレストレストコンクリート建設業協会 菅野新会長インタビュー
今年5月の総会でプレストレスト・コンクリート建設業協会(PC建協)の会長に就任した菅野昇孝氏。エンドユーザーに役割を理解してもらうことが最も重要で、団体の存在意義と説く菅野氏に今後の展望などを聞いた。
―就任しての抱負は
菅野 昨年度PCの受注は3003億円と、7期ぶりに3000億円を上回った。これを継続させたい。そのためには、エンドユーザーに我々の仕事と役割を理解してもらう。将来のこと考えるとそれが一番重要。理解してもらった上で活躍の場をつくる。それを追求しなければ団体の存在価値がない。
担い手確保・育成については、一般を対象に現場見学会をするなどしているが、もっとPCをアピールしなければならない。建設業界は待遇もいい方ではなく、休みもとれない。このままでは今の若者は来たがらない。
―今後の需要について
菅野 ある程度成熟した国家になり、何が何でもインフラ整備をやらなければという状況ではない。足りないところもあるが高度成長期とは違う。五輪関係やリニアなどのプロジェクトもあるが、新規事業はそうは増えない。どうインフラを保守、再構築するか。維持更新は増えていく。今と同じくらいの(予算)レベルで推移するのではないか。
―維持更新時代の課題は
菅野 不調が多い。共用しながら調査・設計をすることもあって、現場に入ると設計を変えなければならないことが多い。もっと包括的な発注ができないか。点検業務では、市町村でまとめて発注する方法があると聞いている。工事でもそういう方法ができないか。ある程度の規模になると魅力のある工事になる。
―新ビジョンの策定について
菅野 現在、新たなビジョン策定の作業を進めている。2017年5月の総会で示したい。外部環境はどんどん変わる。敏感じゃないといけない。(生産性向上、技術開発など)取り巻く環境は大きく変わっている。現行のビジョンでは対応しきれないため、新ビジョンを策定することにした。