国土交通省 技術調査課電気通信室長・末吉滋氏「若い人も電気通信に興味を」
電気通信工事の国家資格創設が決まるなど、電気通信施設への注目が集まっている。国土交通省大臣官房技術調査課の末吉滋・電気通信室長は「まずは若い人から興味を示してもらわなければならない。資格制度も含めて電気通信関係をやってみたいという人が増えてくれるとありがたい」と期待を寄せている。
社会資本整備における電気通信施設の役割について末吉室長は「社会資本がきちんと機能するために『最後に息吹を吹き込む施設』や『インフラと人との架け橋となる施設』であると考えている。社会資本が最大限の機能・効果を発揮するために電気通信施設が目や耳、口となってきちんとインフラに関する情報を収集するとともに、利用者に対して適切な情報提供することが重要」と語る。
例えば道路に関しては、トンネル非常設備や道路照明、道路情報表示装置などが整備されて初めて安心して走ることができるため、「道路附属施設の整備と相まって道路やトンネルとしての機能が最大限発揮できる。河川やダムについても同様で、河川水位や流域の雨量の情報収集、ダム放流設備制御装置等が機能することで適正な河川管理・ダム管理が可能となり、地域の安全・安心の提供につながる」と強調する。
政府が目指す世界最高水準のIT利活用社会の実現に向けて、電気通信工事の増加が想定される中、監理技術者を増やすため国家資格を創設することになった。今後は「建設業課と連携して関係する法令等の改正、指定試験機関の公募手続きを進める。指定試験機関が決定すれば可能な限り早く試験を開始できるように調整していきたい。制度を作って魂を入れて動かして初めて、この制度が生きる。できるだけ早く動かさなければ意味がない」との姿勢をみせる。
【略歴】すえよし・しげる
1985年建設省入省。関東地方整備局企画部情報通信技術調整官、大臣官房技術調査課情報通信技術調整官、政策統括官付政策評価官付政策評価企画官を経て、2014年4月から現職。