国土交通省関東地方整備局 姫野和弘副局長インタビュー
関東地方整備局の姫野和弘副局長は20日の就任インタビューで「今回配属されたのは名誉であり、栄誉。少しでも先輩方が培ってきたことをうまく進めていきたい」と意欲を示した。「予算の制約はあるが、スピード感をもってインフラ整備を進めていく」と述べた。
地方整備局での勤務は3回目となるが、関東整備局は「初めて」という。「あまり関東のことは知らないがガリバー。東京を抱える関東は日本の中心」との印象を持つ。
インフラ整備にあたっては「民間の建設業者やコンサルタントなどと一体となってやっていかなければならない。建設業の魅力発信や働き方改革、生産性向上がテーマにあり、さまざまな工夫・アイデアを通じていい物を長く使えるよう発注行政の立場から応援したい」と話した。
関東は多様な住み方がしやすい地形。「例えば群馬や長野からも都内へ十分に通勤ができるし、経済・社会活動は活発で潜在力がまだある」との印象。一方で「脆弱性があり、どのようにリスクヘッジしていくか」とし「地震はいつ発生するか分からないし、ゼロメートル地帯があったり、阪神・淡路大震災の際に住宅が密集して火事が広がったこともあり、リスクを感じながら住んでいる」と語った。
職員に対しては、整備局は本省よりも「社会とのコミュニケーションが取りやすいので、自分の仕事が生きていると感じやすい」ことから「自負やプライドを持って仕事をしてほしいと話した」という。
首都圏広域地方計画推進室長も兼務しており「人口が集積しているので、そのネットワークを生かせるのが関東。一方で集中することによるリスクもあり、課題解決の必要がある」との見解を明らかにした。
『首都圏広域地方計画』の中で、超高齢社会を迎えることについて触れられており「女性は地域とのコミュニティをもっていることが多いが、男性が定年を迎えると自宅に閉じこもってしまうことも多く、つながりが途絶えてしまう。そのときにどうやっていくのかが課題となる。世の中への貢献の気持ちを持てるような行動を取ることで、社会とのコミュニケーションを持つことにつながってくる」との見方を示した。
思い出に残る仕事としては、1990年9月から約1年半にわたって配属された経済企画庁調査局内国調査第一課専門調査員時代を挙げる。「経済(財政)白書や月例経済報告の作成を担当する部署で、当時は地価が高く、推移が大きかったことからマクロ経済への影響がみられた」とした。
座右の銘は「いろいろな人がいてパフォーマンスにつながってくる」との考えから「小さなことからコツコツと」
【略歴】
ひめの かずひろ
1986年一橋大学経済学部卒、同年建設省入省。九州地方整備局総務部長、土地・建設産業局地価調査課長、国土政策局総務課長などを経て7月31日より現職。大分県出身、55歳。「いろいろと動き回りたい」と旅行のパンフレットを見ながら行き先を検討中。