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栃木県県土整備部

鬼怒テクノポリスセンター地区・新交通システム導入ルートを2か年計画で想定

2000/01/11 日本工業経済新聞

 県土木部は新年度からの2か年を想定し、鬼怒テクノポリスセンター地区と宇都宮駅東口とを結ぶ新交通システムの導入ルート、施設基盤、概算事業費など具体的な検討作業に入る。今年度中に検討課題を整理、新年度からは宇都宮市が計画中の宇都宮東地区開発など関連計画との整合性を図りながら、複数のルート案ごとに主要施設の概略設計にも着手する。十三年度をめどに、都市計画施設として建設省へ調査費補助の要望も検討。都市計画変更に向け宇都宮市都市計画審議会、県都市計画地方審議会への諮問準備を進めていきたい考えだ。

 新交通システムは、五年度に県企画部、宇都宮市、宇都宮市街地開発組合が連携して導入システムの研究、ルート等の調査に着手。九年度に、研究会から民間交通事業者、団体を含めた検討委員会に移行し、県企画部交通対策課が事務局となり、新交通システムの開発動向などの調査を進めていた。

 交通対策課によると、同課が進めていた基本調査はほぼ終了し、導入可能性の具体的な素案づくりに着手するため、都市施設を所管する土木部に調査が委ねられることになった。

 土木部では都市計画課を中心に、具体的なルート設定や必要施設、需要予測、道路交通との連携、整備効果等の比較検討に必要な数値的データを、現地調査を含め実施していく。このため、十一日に新交通システム調査を計量計画研究所(東京都新宿区市ケ谷本村町二-九)に随意契約し、三月末までに調査結果を求める。

 調査内容は、①導入ルートの検討(道路の現況、沿道の土地利用、沿線の開発状況等の整理並びに導入ルートの検討)②問題点の整理(交通全体の問題点)③代替施策の抽出(問題点の改善を図るための想定される対応策の抽出)④関連施設の抽出(需要拡大や利便性向上のための施策の抽出)-の四項目。

 特に④では、宇都宮市が計画しているパーク・アンド・ライドや、建設省が実験調査したシャトル・アンド・ライド、新交通システム最寄り駅からの端末交通対策などとの整合性を図る。

 さらに新年度からは、これをもとに新交通システムの需要予測・道路ネットワークやパーク・アンド・ライドなどの諸施策の評価、これら施策を含む総合交通計画の検討、概算事業費の積算を行い、機種、導入ルート、基本的社会基盤構造、代替施策、関連施設等の比較検討をする。

 可能性調査では、すでに主要地方道宇都宮向田線などの既設道路沿道利用案、新規軌道路線の整備など複数案、さらに高架方式、地上方式の利用形態など、費用対効果を中心に実現性の高いルート選定を探っている。

 土木部では、さらに新交通システムの①走行部②電停部③交差点部④橋梁部⑤ターミナル部⑥電車基地⑦関連施設-といった必要施設の概略(比較)設計も進め、導入可能性についての案を固める。ルートについては県議会から、宇都宮市東西交通円滑化の一環として東武宇都宮駅まで直結延伸や、将来的なJR鹿沼駅との連絡検討を求める意見もあり、最終的な導入決定は、県・市議会を含めた渡辺知事と福田宇都宮市長らの政治的判断に委ねられるもよう。



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