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12月補正予算、自然公園整備費1億円を西六番園地整備などに配分

2000/01/13 日本工業経済新聞

 県自然環境課及び今市林務事務所は、十二月補正予算に計上した自然公園整備費一億円を、主に自然公園核心地域総合整備(緑のダイヤモンド)で事業を進める、西六番園地(日光市中宮祠)の園地整備などに配分することを明らかにした。十二日には測量設計業務を入札、(株)第一創研(宇都宮市下戸祭二-八-一五)が落札した。年度内には工事も発注する。

 西六番園地は、中禅寺湖の北東岸に位置。幕末から明治にかけて活躍し、長崎のグラバー邸で有名なトーマス・B・グラバーが別荘を建てた場所に、後にハンス・ハンターが「東京アングリング・エンド・カンツリー倶楽部」のクラブハウスを新築。フライフィッシングなどを通じて国際避暑地・日光の社交場として栄華を極め、昭和初期には「夏場は外務省が日光に移った」と言われるほど国際的な社交の場として栄えた。

 しかし、十五年には火災により別荘の主要部分が焼け落ち、太平洋戦争の勃発とともにカンツリー倶楽部も解散。その後は、廃墟となった建物が放置され、周囲の石積みやマントルピース跡が当時の面影をしのばせていた。

 県では、現在改修が進められている旧イタリア大使館夏季別荘とともに、西六番園地を日光の歴史を語る上で貴重なものと判断。園地内を通る、中禅寺湖周回線歩道の休憩拠点施設として再整備を図ることになった。現在までに、廃墟となった建物を撤去しさら地にしたほか、九月補正では公衆トイレ一棟を整備。十二月補正では、園地及び駐車場(約〇・二八ha)の整備と周回線歩道の再整備を予定している。

 十年三月に策定した中禅寺湖周回線歩道拠点エリア整備基本構想では、芝生広場、展望広場、階段広場、湖畔を見渡す展望台などの整備を計画した。



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