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神奈川県が薄膜太陽電池普及拡大へ向け事業者からの公募手続き開始

2014/04/17 日本工業経済新聞(神奈川版)

 太陽光など再生可能エネルギーの普及を進める県では15日、更なる拡大を目的に、技術開発が進んでいない薄膜太陽電池の可能性、普及拡大策について、事業者からの提案を募り、取り組むことを決め、公募プロポーザルを用い、事業者の選定することとし、手続きを開始した。薄膜太陽電池の新たな用途と設置可能な施設等、価格の低下を図る方法について、提案を求める。事業者は県の補助金を受けながらそれに基づき、設置し、効果を実証、PRを図る。

 再生可能エネルギーの普及拡大に取り組む県では、太陽光発電の導入は急速に拡大しているが、県内では住宅に設置される発電出力が10㎞ワット未満の設備と比べて、工場等の事業所に設置される発電出力10㎞ワット以上の設備の導入が遅れていると認識に立っている。

 太陽光パネルの重さに耐えられない工場等の事業所の、建物の屋根について、導入を加速させていくためには、技術開発が進んでいる薄くて軽い薄膜太陽電池の普及が不可欠と判断。その一方、新たな用途が開発されていないことから、まだ生産量が少なく価格も高いため、普及が進んでいない状況であり、県では、普及拡大に向け、民間事業者から提案を募り、実施に要する経費の一部を補助しながら進め、多様な用途を開発して、需要の増加を図り、生産量の増加と価格の低下につなげ、普及拡大を目指すこととした。

 事業者選定に際し、プロポーザル方式を用いることとし、手続きを開始した。

 募集に際し、使用する薄膜太陽電池の発電セルは10μm以下、モジュール(太陽電池パネル)はフレキシブル性を有するまたは曲面加工が可能。工場等に多い折板屋根や波型スレート屋根に設置する場合は、荷重が10㎞/平方m以下を満たすことを条件にした。

 さらに前記の屋根をはじめ、道路・鉄道等の法面の設置、遮音壁との一体設置、建物壁面への設置を想定していることを示したうえで、太陽電池製造事業者、流通・販売事業者・設置工事事業者及び設置施設等所有者などのグループ結成を想定している。このうち、設置工事事業者については、県内に事務所を有する中小企業者を優先する(参加の工事業者が単独の場合はその事業者が、複数の場合は過半数の事業者が要件)。

 事業者からは27年度までに、県の補助を受けながら、薄膜太陽電池の製品開発や改良、製造工程の見直し、流通・販売の合理化、設置工法の改良など、発電システムの価格の低下を図る方法の提案を募り、本格的な普及に至った場合の価格低下の見通しを示してもらう。

 県では、18日午前10時から県庁本庁舎3階大会議場において説明会を行う。6月16日まで提案書を受け付ける。提案書を受け付け後にヒアリングを行ったうえ、7月に選考する。

 選定された事業者には、必要経費に補助率3分の1を乗じた額、26年度は3億円、27年度は7億円の限度額で補助をする。

 担当は産業労働局エネルギー部地域エネルギー課。


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