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神奈川県平塚市

平塚市が大神地区ツインシティまちづくりでシンポ

2014/05/27 日本工業経済新聞(神奈川版)

 平塚市は24日、区画整理によるまちづくり計画が進む市北部の大神地区おいて、同地区のまちづくりをテーマにしたシンポジウムを大神公民館において開催した。東海道新幹線新駅の誘致を図っている相模川対岸の寒川町倉見地区と一体での環境共生モデル都市ツインシティ計画に基づいて、組合施行による区画整理計画が立てられているなか、今年度の都市計画決定など事業実施に向けて、大きく動き出そうとしていることを機に市と県が企画したもので、地権者や市民を対象に開いた。まちづくりのコンセプトに関する講演が行われたほか、副知事、市長、商工会議所会頭のパネルディスカッションが繰り広げられた。

 大神地区のまちづくりについては、東海道新幹線新駅を誘致している寒川町倉見地区と、相模川を挟んだ同地区を新しい橋で結び、川の東西両地区を一体とした環境共生モデル都市「ツインシティ」の計画に基づいて、組合施行の土地区画整理事業により、68・8haについて就業人口6、000人、居住人口3、000人を見込んだ計画が立てられている。現在、区域区分、用途地域などの都市計画決定・変更手続きや、県環境影響評価条例に基づく、環境アセスメントの手続きが進められていると同時に、組合設立準備会において事業化に向けた準備が進められている。

 冒頭、主催を代表して落合克宏市長があいさつに立ち「まちづくりの必要性について理解を高めていただきことが大切だと思い企画した。着実に前進していきたい」と述べ、地権者や市民に理解を求めた。

 講演では、斉藤進産業能率大学教授が「まちづくりと環境共生」と題し、ツインシティのまちづくりにおいては、環境負荷の少ないエネルギー利用、公共交通を優先したまちなかの移動、歩く楽しみのあるまち、水とみどりの自然環境をふんだんに取り入れる。市民のよるまちの経営を提案したうえ、緑豊かなまち、環境にやさしいまちづくり、人にやさしい安全社会づくりの実現に期待を寄せた。

 パネルディスカッションでは、斉藤教授がコーディネーターを努め、パネリストに落合市長、吉川伸治県副知事、福澤正人平塚商工会議所会頭の3人が登壇し「ツインシティが描く未来」をテーマに意見を交わした。

 吉川副知事は「ツインシティは岡崎知事の時代に総合計画の中で環境と共生する都市圏を目指していこうと、位置付けられた。ネットワーク型都市圏の形成を目標に進めている」と述べたほか、リニア建設は東海道新幹線新駅設置に追い風との考えを示すとともに、相模線複線化の取り組みの推進への取り組みが

 落合市長は「市マスタープランにおける将来目指すべき都市構造のなかで、地理的に北の核として位置づけている。南の軸である平塚駅周辺は商業、業務。大神地区は東名高速、新東名、さがみ縦貫、新幹線新駅アクセスを活かし新たな産業の拠点としてのまちづくりを計画している。市を代表する顔としてのあるまちづくり。まちづくりを通じて市の魅力を発信していきたい」と訴えた。

 福澤会頭は「人口減少が進んでいるなか、市内に製造業が県外、海外に拠点を移してくなか、進めていただきたい」と話し、新産業の創出に期待を寄せた。


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