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山梨県県土整備部

治水桂川吉田工区など3件/事業実施と評価

2016/10/27 山梨建設新聞

 県県土整備部は、9月に開催した公共事業事前評価会議の結果を公開した。対象は工事3件、調査18件。工事では、治水事業桂川(吉田工区。富士吉田市上吉田)、砂防事業鯨野川(南部町福士)、急傾斜地崩壊対策事業松留の3(上野原市松留)。3件とも事業実施と評価した。

 事前評価は、事業実施の可否を評価したもの。全体計画などは予算が確保されているものではなく、確定はしていない。

 事業実施と評価した工事3件の概要は次のとおり。

 【治水事業桂川(吉田工区)】

 富士吉田市上吉田の桂川で、流下能力が低く、11年の台風による豪雨で床上浸水などが発生したため、防衛省の補助を活用し、断面が不足している箇所の河道拡幅と橋梁改築2カ所を行う。

 全体計画は、河川改修L600m(海老富士見橋付近L140m、忍野橋付近L460m)。事業計画期間は2016年度から25年度まで。総事業費は約7億6000万円。計画区間の下流側約4200mは改修済み。

 事業評価では、費用7億1200万円に対し便益は140億3300万円と高く、地元からも整備要望が出されており、事業実施とした。

 【砂防事業鯨野川】

 南部町福士地内で、土石流被害の防止対策として砂防堰堤2基を整備する。1号堰堤はH9・5m、L45m。2号堰堤はH9・5m、L33m。

 整備期間は17年度から26年度まで。総事業費は約2億3000万円。

 地元の要望に基づく事業で地域の同意は得られており、流域の規模や地形などから判断して最も効果的な事業であることなどから、事業実施と評価した。

 【急傾斜地崩壊対策事業松留の3】

 上野原市松留の3地区は、一級河川鶴川の右岸沿いの傾斜地で、土砂災害警戒区域に指定されており、16年1月には経年劣化により斜面の一部が崩壊し、被害が発生した。対策として法枠工A3000㎡、鉄筋挿入工N1100本を実施する。全体延長は90m。

 整備期間は16年度から24年度まで。総事業費は約3億7000万円。

 事業の妥当性については、費用3億1600万円、便益11億6600万円で便益が大きく上回り、地域の同意を得られている。そのため、事業実施と評価した。

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