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山梨県中央市

庁舎設計などに3億盛り「リニア関連動き出す」 中央市の17年度予算案

2017/02/25 山梨建設新聞

 中央市は22日、2017年度市議会第1回定例会を前に市長記者会見を開いた。市として最大規模となった新年度当初予算案の編成に対し、田中久雄市長は庁舎や豊富小学校整備に加え、田富北小学校移転、都市公園建設など「リニア建設に絡んだ事業が本格的に動き出す」と増額の要因を語った。

 中央市の新年度当初予算案一般会計は、前年度から9億8657万1000円(8・3%)を増額する総額128億7800万3000円でまとまった。普通建設事業費18億297万1000円も前年度比84・4%の上積みとなり、下水道特別会計(1・5%増)や水道事業会計(資本的支出23・9%増)もアップするなど、全会計合計も前年度から12億6882万5000円のプラスとなっている。

 基本設計案を公表し、18年度着工を目指す市庁舎整備では、新年度に増設分の実施設計のほか敷地外の駐車場設計、田富福祉センター解体などを計画しており事業費2億9742万円を予算化した。

 老朽化により対策が必要な豊富小学校施設では、普通教室棟とプールを新設する。教室棟の建て替えにあたっては校庭に仮設校舎を設置するとして、仮設分と現校舎解体の設計および新校舎の基本・実施設計の費用として6007万円を盛った。仮設校舎は18年度、新校舎は18~19年度の建設を見込む。

 プールについては解体と新設工事費として1億6438万円を設定した。この夏まで現在のものを使用するため、シーズン終了後に解体に着手。続いて建設に取り掛かる方針だ。

 田富北小学校移転には1588万円を予算化し、仮設校舎の設計に取り掛かる。同校移転地のふるさと公園に代わる都市公園建設では、詳細設計と移転補償算定費用として3800万円を組んだ。

 ほか、築29年が経過している豊富保育園の大規模改修工事には1億4542万円、玉穂地区と県道甲府市川三郷線を結ぶ田富玉穂大津線道路整備事業には4億1033万円、リニア建設により移転対象となる小井川駅周辺駐輪場などの詳細設計に780万円を計上。田富玉穂大津線は工事費(1工区)をはじめ用地費・移転補償費に予算を充て、小井川駅周辺は将来を見据えての一体的整備が計画されている。

 宇坪川の護岸を改修するなどの農業基盤整備促進事業(測量設計・工事)には4800万円、(仮称)給食センターの建物と外構設計には3536万円が計上されている。

【写真:田中市長】

【表①当初予算案の規模②当初予算案における主な事業】

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